日々の酩酊戯言
まだ旅立ってもいないのに 2010/01/29 14:39:25
こんな穏やかな日和なのにお店はのんびり。
おまけに僕はしょんぼり。
なので、ぼんやり読書に耽っています。
ちょいと気力があるときは小説を
そうでもないときは漫画をナイスチョイス。
今日は『まだ旅立ってもいないのに』(福満しげゆき著)を手に取り、ひだまりの中、空き時間をやり過ごしてます。


この作品。
さえない方々を描いた物語がギッシリ詰まってます。
帯の文言は「まだ何もはじまっていないのに…僕はもうクタクタだった…」。
裏表紙側に返すと「社会的にまったく通用していない気がする…」とあります。
どうですこれ?
元気溌剌ポジティブ全開の人は多分手に取らんでしょ。


僕は手に取りますよ。
だって、凄く優しいんですもの。
けれど、ダメな人のダメな物語だったら何でもいいわけじゃありません。
むしろ、殆どのダメ物語は好きじゃないかもです。
この人の描くダメさ加減が丁度イイ塩梅なのです。
微妙な匙加減でどっちにも転ぶ。
そんな不安定さ、ギリギリさ加減を持った作品が…。
いや!
作品だけじゃなく何でもそういう物事が僕は好きかもしれない。


あとがきにこうあります。


“例えば誰かと話すとき、自分から見ればこっちが脇役…ヘタすりゃ「エキストラ」くらいにしか思われてないかも知れません。
でも、まあ、そんなふうに「あの人も、この人も主人公の自意識で生きているんだ」と、いちいち思ってみることが、他人に対する思いやりへとつながるのかも知れません。
…僕はマジメなのでこんなこと書いても、ちっとも恥ずかしくないのです…”


この感覚、凄く解ります。
僕も基本的にこういうスタンスで他者と接してます。


ココまで読んでお気づきかと思いますが、そのとおり。
今、暫く現れなかったヘナチョコな僕がワサワサ出てきちゃってます。
でも、こんな時はどうすればよいかはある程度わかってますんで御心配なく。
すぐさま元気になってムヒョーとかホワタ!とか奇声あげるようになりますよ。
あとがきの一文をそのまま引用させてもらいますが、僕もマジメなのでこんなこと書いても、ちっとも恥ずかしくないのです。




映画『ミルク』を観ました。

70年代後半、アメリカで初めて、ゲイであることをカミングアウトし選挙で選ばれ公職者となり、後に暗殺されたハーヴィー・ミルクの生涯を描いた作品です。
僕がオモチャの戦車で戦争ごっこをしてた頃、遠くカリフォルニアの空の下で涙も涸れるようなゲイ権利運動が行われていたのですね。
ほんのちょっとは知っていました。
でも、無関心だったら、そんなのは知ってるうちには入らないですね。


観ている最中に、僕はキース・ヘリングの「Ignorance = Fear, Silence = Death」(無知は恐怖、沈黙は死)と云うメッセージを思い出しました。
これは AIDS 防止をうったえるメッセージなのですが、色々様々な物事に当てはまると思います。

それとこれは幾分的外れだけど、前回の日記で書いた司馬遼太郎の一文。
「革命の初動期は詩人的な予言者があらわれ、「偏癖」の言動をとって世から追いつめられ、かならず非業に死ぬ。」も思い出しました。


感じるところ多々ある素晴らしい作品でした。
アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞したショーン・ペンの演技はさすがです。
でも、彼ってシーシェパードの支援者なんですよね。
他にも、
ダライ・ラマ
クリスチャン・ベール
オーランド・ブルーム
ミック・ジャガー
エドワード・ノートン
マーティン・シーン
ユマ・サーマン
ブリジット・バルドー
ダリル・ハンナ
レッチリのアンソニー・キーディス
そして、僕がちょいちょい着用しているパタゴニア
などが、シーシェパードの支援をしています。


複雑ですね…
再び僕の頭の中をキースの言葉「Ignorance = Fear, Silence = Death」(無知は恐怖、沈黙は死)がグルグル回ります。