半年ほど前に書店で購入し、数ページ読んだだけで本棚に並べてた本があるのです。
『人間一生図鑑』
あの『ぼのぼの』や『I【アイ】』の作者 いがらしみきお さんが描いた最新作です。
何で数ページで読むのを中断したのか……
その本を何で今また手に取ったのか……
どちらも全く説明出来る何かがないのです。
「ただそうだったから……」としか言えないのです。
でも、そういう物事って、なんだか自分に優しい気がしませんか?
ふわふわっと気持ちの良い感触を得られるのは何故なのでしょうか?
で、再び読み始め、そして一気に最後まで読んだわけだが、何だかね……とんでも無く心突き動かされてしまったんですよ。
これはアレです。
私の生涯の座右の銘……ではなく、座右の本となりそうな予感がヒシヒシとしたのでした。
ずっと大切にしたい“本”だと感じました。
しかしまぁ、こういうことってありますよね。
「奇跡」のようなことなんですが、わりと頻繁に起こる こういう出来事。
こういう出来事があると、自分が歩んできた道を振り返ってみたら、そこにちゃんと足跡があるって思えるのです。
肯定された……そんな気がするのです。
作者の想像の産物である古今東西の人種、性別、思想を問わない二十人の一生をそれぞれ8ページで描き切った傑作。
その人生の儚さと尊さ。
それは人間讃歌でした。
以下は作者によるあとがきからの抜粋。
“この世界がどれほどの奇跡でできているのかがわかった。
この奇跡のような世界に生まれてくるのも、そこから消えてなくなるのも、
やはり奇跡だと思わずにはいられません。 それが人の一生なのでしょう……”
いがらしみきお
【追記】
この本を読んでいるとき、何度も何度も脳内再生されたのが米津玄師さんの『地球儀』でした。
あらためて、とんでもなく良い曲だなぁと感慨。
この曲もまた、私の座右の曲となりそうです。