夏が流れていく

猛烈な暑さ。
これが真夏のピークであることを願う。
灼熱地獄の中に飛び出し、店の外観の写真を撮ってみた。
そこに写っていたのは、まるで永井博さんが描くブルーの光景。
こんな日はこれだよねと山下達郎を聴くと見せかけて……ブルーノ・マーズを聴いた。(今更ながらハマっている)
ブルーノさん、山下達郎を愛聴しているらしいね。
なんだか誇らしい気持ちになるのは何故だろう何故かしら。

映画館のトイレで息子と並んで用を足す。
これがなかなかのイイ時間であるのだが……実際は私が準備をしているうちに息子はミッションコンプリートし、さっさと手を洗いに行ってしまう。
しまいには「まだ〜」と言われる始末。
これがなかなか情けないのである。

息子はこういうスピード感に中で生きているのだ。
学校での十分の休憩時間でもフルスロットルで遊ぶのだろう。
五十歳の床屋のオッサンは「お!休憩か〜」としみじみしているうちに、その十分を終えてしまう。
その時間の濃度と密度の差は歴然だ。

でも、これでイイのだ。
これがイイのだ。

この年齢で、息子と同じ感覚で時を過ごしたら一瞬で脳が溶けてしまうだろう。

人はそういう風に出来ているのである。
小学生には小学生の感じ方。
五十路親父には五十路親父の時間軸。
自分の感じ方を信じるべし。

さてと。
真夏恒例のフィッシュマンズでも聴くかな。

股旅。

今こそ必要なもの

気になっていた『おおきなかぶ〜』(ガタロー☆マン著)を読んだ。
大笑い、後、ジワジワと感動が押し寄せて来た。
大袈裟な物言いに聞こえるかもだが、今の窮屈な世の中(コロナ禍であろうとなかろうと)に必要な何かがココには描かれているぜ!と感じた。

『珍遊記』や『地獄甲子園』で知られる漫画家 “漫☆画太郎” が、「ガタロー☆マン」名義で描いた ‘笑本 おかしばなし’ である。
この『おおきなかぶ〜』は二作目で、一作目は『ももたろう』。

これはもう『ももたろう』も読まねばならないと強く思った。
きっとそこには、また私の心を笑震わせる何かがあるはずに違いない。
コンセプトは「悲劇は喜劇に、喜劇は超喜劇に!」だと聞き、そこにも震えた。

今、子どもたちにも、自分にも、大人にも、世の中にも必要なのは “笑い飛ばす力” なんじゃないか?どう?

と密かに思ってたところだから、マイハートにジャストフィットスムーズインしたってわけだ。
そこの「最近ちょっと元気ないかも……」と思い込んでいる貴男貴女、この本を手に取ることをオススメする。

同じように、今のこの鬱屈としたWORLDに必要な何かがあるぜ!とビンビン感じたのが、ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるシルク・ソニックの新曲 “Skate” だ。

これはもう、DOODLIN’ BARBER SHOP の今夏のテーマソングにしなくてはと鼻息荒くなるほどの名曲。
これまた何だか泣けるのです。
その底抜けのハッピーさ加減に涙が出そうになるのです。
急に敬語にさせてしまうパワーもあるのです。

その向こうにあるもの

ぼんやりTVを眺めてたら

「好きな映画は?」と訊かれて、いつも答えに窮するのです。
ベストな答えは何ですかね?

とタレントさんが話してて、確かにそうだな……自分だったら何と答えるのがイイかな……と考え込んだんだった。

「う〜ん……オレだったら何がイイかな?」

と妻さんに訊いたら

「マッドマックスじゃない?」

と即答されて「それだっ!」と思った。

まさにベストアンサー!
あくまで自分的にだが、妙にマニアックなものを言うより、やけにメジャーなものにするより、ベリー最高にちょうどイイ塩梅のチョイスと言えるのではないかな。

パパパッと頭に浮かんだ『ノーカントリー』とか『イングロリアス・バスターズ』とか『ファイト・クラブ』とかを出したら、さては頭おかしいんじゃないか?略してアタオカ?と疑われそうだし、

『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』とか宣ったら、はは〜ん、イイ人と思われたいんだね?ごっつぁんです!と思われるだろうし、『アンダーグラウンド』なんて言ったら、狙い過ぎだしね。

『マッドマックス』
五十歳、健康優良不良中年としては、これが名答だなと。
全てがちょうどイイ具合に収まるもんな。

カッコつけてる感じもないし、実際少年時代から大好きだし、今観ても何度観てもズキズキワクワクするし、ちょっとバカそうだし、そのふざけたパンキッシュなテンションも、自分が他者にそう思われたいって意思が加味されているってのも感じる。
これだな。
うん、これだ。
これしかない。

で、八歳息子にも是非観せたいんだぜ!
と鼻息荒くなってたのだが、冒頭から無情の「R-15」の文字が踊ってて、歯が全部抜けた。

窮屈だな……

寒い時代だとは思わんかね。
その向こうに面白い何か、ワクワク興奮させる何かがあるのに、どんどん壁が作られていく。

しょうがないからパンク聴くわ。 

マンダラートやらを作ってみるかな……

只今、絶賛大活躍中の大谷翔平選手。
彼が高校生のときに作成したという「目標達成マンダラート」を拝見したのですが、あれは鳥肌ものですね。

ああいうものを作った時点で、もう目標が達成出来てしまっているのでは……と思いました。
その心意気というか、メンタルの方向性というか、なんちゅうか本中華。

で、私の場合はですね。
目標を達成するためのものではなく、自分を構成する曼荼羅を作ってみたらどんな感じになるかな……と考えてみたんです。
薄ぼんやり頭の中に浮かんだのは、音楽と本で構成されたマンダラート。

大好きなレコードのジャケットと愛読書の表紙で曼荼羅を作ったら、自分という人間、その過去、その未来までもが描けるんじゃないか?どう?と思いました。

いや、それを作ったからってどうにもなるもんじゃないんですけど、そういう自身を見つめ直す行為って大切だと思うのです。
特に五十歳ともなるとですね。
たまにそういうことやって、ああそうだよね、そうだった!そうだった!
と自分を識るって必要だとまでは言いませんが、なんだか気持ちが良いもんなんです。
自分を肯定出来るような気がして。
もしかして勘違いかも知れないんですけど、別にいいんです、それでも。

こういうこと書いていると「相変わらず自分大好きだね〜」と揶揄されそうですが、自分が嫌いってわけでもないし、かと言って自分が好きってわけでも全然なくて、出来たら自分を嫌いにならないようにしたいよな〜って思いが強くてですね。
結婚して、妻さんがそばにいてくれるようになって、息子がいるようになって、その思いはさらに強まるばかりでして。

誇りに思ってとまでは言いませんが、恥ずかしいと思わないで欲しいんですよね。
このウツボ野郎の床屋のオッサンの存在を。
で、そのために自分を識りたいんだぜってわけです。
まずはそこからだぜってわけです。

青すぎる空

見事な梅雨明け。
待ち焦がれていた夏空を拝めました。
いと気持ち良し。 

空き時間、『EVOL』(カネコアツシ著)が面白すぎて貪り読んでいたら、何やら店入り口ポーチに気配を感じる。
実は朝からずっと変な感じがあって、変な音も聞こえたしザワザワしてたんですよ。
でも、外に出ても誰もいないし変だな〜って瞬間、デッカいトカゲを発見! 

と思ったらヘビだったから腰が抜けた。
こりゃ写真撮らなきゃと急いでスマフォンを取ってきたのだが、恥ずかしがり屋さんなのかしら。
ポーチとステップの隙間に隠れてしまっていました。

顔は撮れませんでしたが、蠢くボディを激写。
画像検索して見比べてみたところ、どうやら青大将のようです。
しかも、かなり大きい。

ヘビは、本能で安全な家を見分け、住み着くそうで、家の守り神とも言われるそう。
これは吉兆かしら。
だと良いな。

そろそろ学校から帰ってくる息子にこの素敵な報せを教えるべきか迷うところ。
だって息子は絶対「捕まえる!」と言い出すに決まっていますからね。

でもやっぱり教えないのは可哀想なので、報せます。

で、蛇は家の守り神だから、そっとしておこうねと伝えてみます。