自分でもなんだかわからない、この気持ちよさ。

息子の新作マスクが、なかなかシュールで良い味を醸し出している。
不気味さもあるが、なんともユーモラスで可愛げがあるところがステキだ。

お客さんに「息子さんのマスクは全部で幾つあるのですか?」と訊かれた。

もしや家の中がマスクだらけなのでは?
と思われたのかもだが、残念ながら実際には数はそんなにはない。

息子の中でのマスクランキング下位のものからどんどん作り直しているからである。

次に作るマスクもイメージはもう仕上がっているようだ。
次作が楽しみである。
また歌舞りたい。

コーヒー、バッヂ、ステッカー、MIX CDと、なんだか創りたくてしょうがない症候群に陥っている私だが、自分でも何でそうなったのかわからない。

自分でもわからないことって、ちょっと気持ち良いのよね。
そのコントロール不可な感じがなんともね。
アガるのよね。

そんなフワついたテンションに、GEZAN の音が妙にハマる。
周囲で話題になっていたので聴いてみたらぶっ飛んだ。
周囲の流れにコッソリ乗るのも乙なものである。

今読んでいる『高熱隧道』(吉村昭著)が猛烈に面白い。80年ほど前のトンネル貫通への情熱な取り憑かれた人々の執念を描いた物語。

さてと。
今日もちゃんと今日にしないとな。
程よく頑張ろう。

インスピレーションに従って生きるということ

五十代半ばになるお客さんが、こんなことを言っていた。

「かつては五十歳ともなるとね、人生も折り返し地点をとうに過ぎているわけで、んじゃ、さてこれから “どう死ぬか……”、つまり “どう生きるか……” ってのを考えたと思うんですよ。

でも今は、寿命がグイーンと伸びちゃいましたから、五十歳過ぎても、これから “まだ何かが出来るかも知れない……” ってね。
みんな欲が出て来ちゃったんですよ。

それが良いことなのか、そうじゃないのかはまだわからないけども、こうなる前、人生がここまで長くなる前の壮年期を過ぎてからの生き方ってのがね。

今はもう当てはまらなくなってしまったんじゃないかって思うんです。
だから、自分たちで新しい生き方ってのを見つけなくちゃならないんじゃないかな〜
なんて思うんですよ。
なんつって!」

ボクはそんなお客さんの言葉を聞きながら、そうか〜そうなのかもな〜でもどうかな〜なんて色々思いながら、返す言葉に窮したのでした。

でも「欲が出るのは致し方ないけども欲張りにはならないようにしたいな!」とは思いました。
こういうのには正解はないですからね。

「どう死ぬか」と「どう生きるか」ってのは同意なんだぜって考え方にはビビビと来ました。
ボクは、このビビビが大好物なんで、心のノートにメモっておこうと思います。

「老後をどうするかなんて老後になってから考えればいい、これから想像もつかないような未来が待っているわけで、先のことを考えるよりは今をどう生きるかを考えなきゃ!」

だなんて誰かが言ってましたが、今を生きるってどうすれば良いんですかね。

ホントもう、そこから考えなきゃならない、順調にいけば後三ヶ月で五十歳になるしょうもない床屋のオッサン、それが私です。

インスピレーションに従って生きるってのは、四十代前半に決めました。

行き先は未知ですよ。
なかなかスリル満点です。
面白いです。

ロックンロール。

それが粋ってもんさ

現在発売中の『BRUTUS』(音楽と酒。響く、聴く、語る、レコードとバーの話。)を隅々まで読んで、カラダの隅々までビリビリ刺激を受けている。

その刺激を糧に作ったMIX CD 。
昨今はほとんどお酒を飲まなくなったので、こんな音楽が流れる中で飲んだら……なんて妄想しながら選曲してみた。で、出来上がってみると、酒の場だけでなくドライブするときや床屋の営業中にもジャストフィットな感じで、まぁそんなもんだよね、元々良い音楽ってのはさって独り起承転結 and 自己満足したんだった。

気まぐれに、せっせとボール紙にアルファベットハンコで

“DOODLIN’ BARBER SHOP
GOOD MUSIC & POSITIVE VIBRATION”

と打ってみた。
十七年前の当店開店以来のコンセプトである。
あらためて見ると、随分とデカいもんを掲げてしまったもんだと独り赤面 & 恐縮している。

果たして、このコンセプトに見合う店になっているのだろうか……なんて愚問が頭を過る。
それを決めるのは自分じゃないのよね。
ルルル。

にしても、良い特集だな今号の『BRUTUS』。
表紙もいい。
石塚真一さんの特別描き下ろしも最高ね。

せっかく良い刺激を頂戴したので、これを生かさねば。
一見床屋とは全く関わらないようなコンセプト

“GOOD MUSIC & POSITIVE VIBRATION”

と見せかけて、それこそが唯一無二のボクだけが作ることが出来る店であり空間だってことを証明しなくてはな。
ボヤボヤしている場合じゃないんだぜ。

だけどもだけど、『Go Slowly』でね。
それが粋ってもんさ。

勢い & 調子に乗ってみる

昨年、移転5周年を記念して作った DOODLIN’ original Coffee Drip Bag をですね。再び lit coffee service さんの御協力をいただき、何の記念でもなく、ただ私の 気まぐれ & 二月のノリ だけで作りまして、是非とも御来店の方々に、もらっていただけたらなと思っております。

勢いついでに、今ステッカーとバッヂも作ってましてね。これも各一つずつもらって欲しいなと。(もう一つ欲しいぞ!って方々には、お代をいただくことになります。すみません。)

さらについでに、本日発売の雑誌「BRUTUS」の “音楽と酒” 特集に大いに触発され、私も同タイトルで MIX CD の選曲をしてみました。

これがまた我ながら会心の出来でして。酒をほとんど飲まなくなった私でさえ、その音だけで泥酔してしまいそうなほどです。

こちらも “それ聴いてみたいかも!” と絶叫していただいた御来店のお客様に差し上げられたらと企んでおります。

なんだか乗ってますね。勢い & 調子に。でも、こういうテンションに支配されてしまうときって、ままあるじゃないですか。今がまさにそれなんですよ。良い感じです。

コーヒーは二月いっぴから。

CDは今週中にはどうにか。

ステッカーとバッヂは、二月末くらいになりますかね。

コロナ&寒さで、気を抜いたらすぐにダウナーになりがちですが、気合いで乗り切りたいと思います。

股旅をする。

DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 拝

それが面白い

散歩中、見知らぬお爺さんが、すれ違いざまにフンフンと鼻歌をうたっていた。
あれは何て歌だろう。

自転車に乗った高校生が微かに頭を揺らしている。
装着しているイヤフォンからは どんな音が流れているのだろう。

対向車のおばさんが運転しながらシャウトしている。カーステレオから どんな音楽が鳴り響いているのだろう。

それぞれの人のそれぞれの生活にそれぞれの音楽が寄り添っている。
素敵じゃないか。

そして僕は、近頃ちょっとハマっている GREEN DAY をハミングしている。

今更グリーン・デイ?
と笑われるかもだが、僕はこの「今更」が結構好きだ。
いろいろ「今更」な感じで生きていきたいとすら思っている。
かつて流行っていたものに “今更” 手をつけ、ふむ……やはり流行るだけのことはあるな……そこに確かな理由があるのだよな〜
なんて納得するのが好きだ。

かつては遅れるのが嫌だったし怖かった。
先に先にと突き進んでいた。
でも今は遅れているのが気持ちいい。
ときには止まってもイイ。
そしてそのまま、そこを掘りたい。
その方が自分にとってイイものが見つかったりするのよね。
何故か何故だか。

それが面白いのである。