そのビビビを待っている

朝からクリーンセンターに行ってきた。
日々量産され続けている息子の創作作品をコッソリとスローアウェイするためだ。
そうしないと我が家が瞬く間にゴミ屋敷と化してしまうのだ。

一々息子に訊いていたら、全て「オレの思い出だから!」と捨てることを断じて許さないので、妻さんと私で厳選したものは残して後はサラッと持って行く。
息子は能力者なので「あれがない!」とすぐに気付くいて騒ぐが、それも束の間。
いつまでもネチネチとは言わないから、まぁ大丈夫なのだ。

でも、これもタイミングが大事。
妻さんが「今だ!今しかない!」ってときを見極めてるから、スムーズに行く。
私のタイミングでそれをすると大変なことになるから、オレはしない。
私はちゃんと私をわかっている。

クリーンセンターまでの道すがら。
カーステレオの中の人が 

♪ゴールは遠くなったが 荷物は軽くなった 
世界は狭くなったが 視界は広くなった
データは軽くなったが 音楽の意味は重くなった♪

と歌ってて、それがヤケに響いた。
私はどちらかというと歌詞をあまり気にかけない人間なのだが、時折不意に言葉が飛び込んでくるときがある。
今朝がまさにそれだった。
ビビビと来た。
私は、このビビビが好きだ。
ひょっとしたら、このビビビのために生きているのかも知れないっつーくらい好きだ。

でも、このビビビは決して稀ではない。
結構、しょっちゅうビビビしている。
日に何回もビビビしているときもある。
ビビビするには、それなりのコンディションが整っていないとダメだ。

だから、よく寝て、よく笑い、うまいものを食べ、物事をちょっと違う角度からも見つめるように心がけ、あまり考え込まないようにしている。
さすれば、すぐにビビビだ。

てなわけで、今から“bloodthirsty butchers” の傑作アルバム『未完成』を聴こうと思う。
ジャケットアートワークはジミー大西。
それを眺めただけで、すでにビビビだ。
一度、針を落とせはビビビの嵐に巻き込まれるのは必至。
すなわち最高の時間を過ごせるっつーわけだ。

よし。
今日もちゃんと今日である、
上々な滑り出しだぜ。
腹から声出すぜ。

全然大丈夫

お父さ〜ん!

息子の泣き入りそうな声に振り返ると、息子の手にはポッキリ折れた私の愛用ヘッドフォン。
オーマイガッシュとはこのことである。

このご時世。
レコードセレクターを努める機会などないわけで、もっぱらヘッドフォンは音楽にハマりつつある息子が使うようになっていたのだ。

怒ったりはしない。
ただなんか哀しかった。
それを気にしてか、息子がしょんぼりしてたので「これはもう古いからさ、もう弱ってたんだよ」というと「オレわざとやったんじゃないよ」というので頭を撫でてやった。

息子はテープで補修して「まぁこれで大丈夫でしょ!」とアンバランスになってしまったヘッドフォンを再び装着し、また音楽を聴き始めた。

そうだ、これでいいのだ。
壊れたら直せばいい。
壊れたら、また作ればいい。
だから、壊れても大丈夫なのさ。

それを実践している息子。
今は何を聴いているのかな。
ボリュームは控えめにな

そろそろ一発逆転カウンターを

先日テレビを見てて驚いたのですが、どうやら世間には「彼氏にしてはいけない3B」というのがあって、これがバンドマン、バーテンダー、美容師の頭文字を取ったものだそうで、これらの職業に就いている男性と付き合うと痛い目にあうぜ気をつけなってことらしいです。

そんな「説」があったこともショックですが、いやショックは言い過ぎか、まあちょっと驚いたのですが、もっと驚いたのは、そんな説があることを全く自分が知らなかったことです。

で、これってどうなんでしょ。
自分が思うには「こんな連中と付き合っちゃう そんな私ウフフ」って、実際3Bの方々とお付き合いしている女性たちが自虐的に言ってるんじゃないかな〜なんて理容師のオッサンは思いました。
理容師は「R」なんで全然関係ない話ですが。
(ん?BARBER?)

そういえば、もっともっと随分前。
テレビで独身の子を持つ親同士がお見合いするという、なんだかワケのわからんパーティの取材をしているのを見たのですが、そこでの自営業のあまりの人気の無さに震えたのを思い出しました。
やはり一番人気は公務員だそうで、いやまあそれはそれでイイんだけれども、やはり「ロックンロールイズデッド!」なんだな〜としみじみ感じ入ったのでした。

これはもうね。
信じているものが違うんだからしょうがないことなんです。
信じているものが違う、それはつまり神様も違うんです。
それを否定するのはナンセンスなんですよ。

でもね。
こういう価値観って、二、三十年前はもっともっと蔓延っていましたよね。
あの頃に比べたら、だいぶ変わって来ましたね。
その変化のスピードは、このコロナ禍でさらに拍車がかかりましたね。

僕はね。
カウンターが好きなんですよ。
ボクシングの体重を乗せたカウンターパンチでも、サッカーでの守勢から一気に攻勢に転じるカウンターアタックでも、カウンターカルチャーでも、だいたいカウンターが好きなんです。

そろそろカウンターぶちかましたいですね。
一発逆転しましょう。

それにしても Vulfpeck はカッコイイ。
今一番、好きなバンドかも。
明日はまた明日、大好きな音楽が変わっているでしょう。
それがイイんです。
それでイイんです。

根底にあるのは……

人間はもう終わりだ……

そう真心ブラザーズが歌ってから二十年ぐらい経ったか。
でも、こう歌ってはいるけど、でも終わりじゃないよね?終わらせないよね?

って意味なのだと僕は受け止めている。
ネガティブと見せかけて、スーパーポジティブなものだと思っている。
別にこれが正解だと思っているわけではない。
自分はそう受け止めているって話だ。

セックス・ピストルズが “ノーフューチャー!” と歌っても、それを額面通り受け止めはしない。
そこに「だからこそ!」の気持ちが入っていると僕は思っている。

これは誰かに教わったわけではない。
いつからかわからないけども、自分の中で勝手に自然に極めて普通の流れで、そうなっていったのだ。
僕のように受け止めない人がいるのも知っている。
それはそれでイイと思う。

僕は、なんかこう逆説的な感じが空気が雰囲気が好きなのだ。
ひねくれているってわけではない。
極々ストレートだ。
ストレート過ぎるぐらいにストレートにそうなのだ。
ぬ?
なんだか意味わからなくなってきたので、この話はヤメにする。

緊急事態宣言が出された今。
やけに ブラッドサースティ・ブッチャーズ が胸に響くのは何故なのだろう。
やけにズキュンと来るのである。

名盤「Kocorono」を繰り返し聴いていたら、あ、そういえば妻さんのCD棚に確かブッチャーズのアルバムがあったよな……と思い出し、妻に尋ねたら「一枚だけあるよ」とのこと。
見てみたら「△」というアルバムがあった。

結婚して十年、妻さんとブラッドサースティ・ブッチャーズ の話をしたことあったっけな?
多分ないな。
僕の中で、そのぐらいの距離間に在るバンド。
それがいきなり物凄く響くんだから面白い。
来るな〜来てるよ来てる。
もうね、胸が掻きむしられるぐらいにね。

今この現状で、ブラッドサースティ・ブッチャーズ が来まくっている人って世界にどれぐらいいるだろうか……
世界で自分ただ一人なんじゃないか……

そんな思いで聴いている。
これも “音楽” の力だ。
音楽のこういうところも好きだ。

根底にあるのは「だからこそ」な思い。
だからこそ、これがイイ。
そればっかりで生きて行けたら嬉しい。

股旅。

床屋のオッサンの密かな愉しみ

2021年。
新年明けましておめでとうございます。
DOODLIN’ BARBER SHOP、仕事始めは明日からとなります。
今年もどうぞヨロシクお願いいたします。

さて。
仕事用でもプライベートでも、もはやこの一本があればそれでもう他には何もいらない……

ってぐらいお気に入りのズボン、ナウく言うなら “パンツ?” と昨年出会いまして。
大袈裟ではなく、一気に10本ぐらいゲットして、余生はこのズボン のみしか履かない、そんな床屋のオッサンになってもいいとさえ思っていたのですが、そんな度胸も財力もないので、一本で諦めたのでした。

それで一年履きまくったら、当然のごとく使用感ムンムンになってしまいまして。

こりゃイヨイヨもう一本!
さて今年のモデルはどうかしら……

と探してみるも、昨年ほどのインパクトはなく、あ〜せめてもう一本ぐらい買っておけば良かったぜ(少量生産らしくすぐに売り切れてしまうのです)と嘆息していたら、なんと昨年モデルを発見!
こんな奇跡もそうそうないぜと自分に言い聞かせ、まるで同じズボンを購入したのでした。

こうなると、着用するのがもったいなくなってしまうのが人情。
春まで寝かせて、今履いているのはリペア&違う色に染め直ししようかしら……
なんてシャレオツなことを妄想するのが楽しい。

ただ一つ残念なのが、このズボン。
自分以外の誰一人、家族や友人、お客様たちにも「それいいね!」とか「似合うね!」と言われたことが一度もないっつー残酷物語。
自己満足も甚だしいのですが、こうなるとむしろソコがいい!
これが “床屋のオッサンの密かな愉しみ” なんだぜってことで。

新年早々、聴いているのは NIRVANA と銀杏BOYZ と THE CLASH ばかり。
2021年は、そんな年にしたいっつー己の願望の現れなんですかね、違うか。
なんか元気になるんですよ。
だから、この辺の音楽を聴いちゃうんですな、多分。

というわけで今年の目標は

『床屋のオッサンの密かな愉しみをもっと増やす!』

これで行きます!