GOOD LUCK TRACK を聴きながら

月曜日から今日までの四日間、春休みをいただき、妻さんの実家がある北九州へ赴いて、いろいろあれこれのんべんだらりと楽しく過ごしてきました。
明日からまたビシリと働きますので、せっかくお問い合わせいただいたのにカット出来なかった方々ご勘弁を。

 

帰宅すると待ちに待った竹原ピストルの新譜が届いておりまして。
今から聴きながら書こうと思います。
時折、文面にテンションが高くなったのを感じましたら「あいつめ、竹原ピストルに感化されていやがるぜ!」と思っていただけたら幸いです。
まあ、ともかく今一曲目なのですが早速たまらないです。

 

今回の春休み。
恐竜が大好きな我が家の五歳児のためにと、北九州いのちのたび博物館に行ってきました。
いやはや最高でしたね。
博物館なんて、中学時代の社会科見学で行った国立科学博物館以来かしらん。
のっけから、ティラノサウルスの復元全身骨格が待ち受けていたのですが、そのデカさと迫力に鳥肌ヴィンヴィン。
入館前に「何が楽しみだい?」と訊いたら「ティラノサウルス!」と即答していた息子が尻込みして写真を取ろうとしても近寄ろうとしなかったぐらいですもの。
こんなデカいのが闊歩してたなんて……想像しただけで腰が抜けそうでした。

 

今、三曲目の『ゴミ箱から、ブルース』に入りました。
竹原節全開でございます。

 

この春休みで、読みたかった『記憶の地図』(ジェリー鵜飼著)と『いのちの姿』(宮本輝著)を完読することも出来ました。
どちらも手前勝手にいっぱい感銘受けさせてもらいました。
ありがとうございます。

 

ここまで書いたことと関係あるよなないよな話なのですが、ここ最近にボクが心動かされた音楽や書籍の作り手さんたちの幾人かが、ボク的に「え?ウソでしょ?ものすごく意外!」なのですが、酒を一切飲まない、もしくは極端に弱いのだと知りましてね。
近頃めっきり酒を飲まなくはなりました小生ではありますが、ガブ飲みしてた頃は「酒には何かがあるに違いない!」「酒があってこそ作り出されるものがある!」と半ば宗教じみた考えで盲信していたことがガラガラと音を立てて崩れてしまったと言いますかね。
「なんだ酒いらないんじゃん!」と拍子抜けしてしまいました。

 

でも、心地よい拍子抜けなんです。
そもそも、拍子抜けってのは気持ちのいいものなのかもな。

 

こんなしょうもないことを書いているうちに、竹原ピストルのニューアルバムも六曲目へ。
残りはこれからゆっくりじっくり聴こうと思います。
正直今、「あれれ?ちょっと違くない?」と思い始めてますが、きっとこれでイイのです。
初っ端から耳当たりの良いアルバムより、ちょいとクセがある方が後々沁みて来るのですよね。
四十六年間生きてきて知り得た数少ない人生の真理の一つがこれです。

 

それではそろそろ撤退します。
ありがたいことに、週末の予約はかなり埋まりました。
とは言っても、日曜日なんかはまだ少々余裕がありますので是非ともいらしてください。

 

股旅。

 

DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 高崎哲平

圧倒的な余韻の海に溺れたい

年明けからゆっくりと読み進めていた『旅のラゴス』(筒井康隆著)を今朝方にようやく読み終えた。

一気に読みきってしまいたい面白さだったのだが、故に読み終えてしまうのが惜しくてちびちびと読んでいた。
その読後感は圧倒的な余韻を残している。
この余韻をどう言葉にすればいいのだろう。
切なさ、寂寥感、うまい言葉が思い浮かばない。
こういう読後感は久々だ。
前に何の本で味わったのか思い出せないくらいに。
もしかしたら初めてなのかも知れないと思うくらいに。

作者は「余韻」を残してやるぜと意識して狙えるものなのだろうか。
そうそう、こんな感じで書けば余韻はバッチシってセオリーがあるのだろうか。
余韻といえば、映画ではコーエン兄弟って印象なのだが、コーエン兄弟も余韻を重要視し狙って作り出しているのだろうか。
訊いてみたい。

それとも真心丹精込めて作り上げてみたら、いつの間にかそこに圧倒的な「余韻」が作られていたってパターンなのか。
希望としては後者がいいな。
余韻、それは狙って作れるものではない。
混沌と混乱と情熱が混じり合ったとき、奇跡的に生まれるものであって欲しいな。

《お知らせ》
DOODLIN’ BARBER SHOP は明日から木曜日まで四日間春休みを頂戴します。
ほんのちょいとのんびりしましょうかね。
春休みのBGMは、Angus Stone の“Broken Brights”かな。
課題図書は、『いのちの姿』(宮本輝著)にしましょうかね。
ポケットには『記憶の地図』(ジェリー鵜飼著)をしのばせて。

それではまた金曜日からよろしくお願いします。

DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 高崎哲平

そのもどかしさに用がある

今日は息子の誕生日。
晴れて五歳となりました。
五歳ともなると、いろいろと世の中のかくかくしかじかがわかるようになるのか、なるといいなと思いつつも、それもまた少し寂しい親心。
あっという間だった五年間を振り返りしみじみ感じ入っている次第であります。
お力添えくださった皆々様、ありがとうございます。
五年間、息子に寄り添い続けた妻さんにも感謝です。

 

空き時間に息子とケーキ屋さんに行ったのですが、其の道すがら、息子のリクエストでずっと Electric Light Orchestra の “Mr. Blue Sky” を流しっぱなし。
かなりのお気に入りらしく、しかも前奏部から歌の導入部にカタルシスを感じるようで、曲の半分ぐらいに差し掛かれば、また最初から聴き始めるなんつーことを延々とケーキ屋さんへの行き帰りで繰り返しておりました。

 

物心ついてしまうと、ちょっともったいぶったりするものですが、五歳児は常々フルパワー。
大好きな曲をこれでもかってぐらいずっとずっと繰り返し聴き続けるのです。
飽きることを恐れていないのです。
それがなんだかちょっと羨ましく感じる、小賢しいことばかり身についてしまった四十六歳の床屋のおやじさんであります。
この曲、僕も大好きなのですが、ここまで聴かされてしまうと、ひょっとして聴きたくなくなるんじゃないか……と危惧しているのです。
つまらん大人です。

 

その床屋のおやじさん。
近頃はもっぱら映画づいておりまして。
毎晩、妻と息子が寝付いた後も、ぼんやり録りためた映画を観ております。
そんな日々に充足しつつも、本を読みたい欲求がふつふつと沸き起こっておりまして。
これが不思議なもんで両立しない。
本も読んで映画も観られてっつー日々は、生まれてこのかた過ごしたことがありません。
読書三昧を手に入れたいのですが、そうなると映画が観られなくなってしまうのです。
ああ、もどかしい。

 

ジェリー鵜飼さんが書いた『記憶の地図』を筆頭に、『田園発 港行き自転車』(宮本輝著)『悲しみの歌』(遠藤周作著)『青春ノイローゼ』(みうらじゅん著)その他多数の本が心のカートにストックされている状況。
本ってのは、読めば読むほど読んだ本人にコクが出てくるっつー言い伝えを信じ込んでいるので、一冊でも多く己の人生の中で本を読みたい気持ちがあるのです。
でも読めてない。
全然読めてない。
ああ、もどかしい。

 

音楽は聴けてます。
これはもう通常運転。
全く衰えることなく貪欲に聴いております。

 

そうそう。
新作Tシャツのフロントプリントにと考えているロゴがとっても素敵で気に入っているのです。
元ネタは某ジャズアルバムなのですが、実はバッドリー・ドローン・ボーイのアルバムからの影響もかなり大。
これをバッジとステッカーでも作ろうと思ってまして。
当店が移転して三年になる六月にいらっしゃった方々にもれなくプレゼント出来たらなと考えてます。
まあ、よかったらもらってやってください。

 

そんな感じで、息子の5回目の誕生日が過ぎ去ろうとしております。
BGMは、最近どハマりしている Angus & Julia Stone の傑作アルバム “Snow” で。
これ、相当いいアルバムです。
手放しでオススメさせていただきます。

 

それでは、おやすみなさい。

 

 

なりたいようになれるかな

Tommy Guerrero が2003年に発表したアルバム『Soul Food Taqueria』。

 

リリース当時、DOODLIN’ BARBER SHOP 開店に向けてコンセプトはどうしようか、内装外装はどんな雰囲気にしようかと日々悶々と思案していた真っ最中だった私に、このアルバムは多大な影響とヒントを与えてくれました。

このアルバムが持つ空気感、このジャケットの世界観、それと Tommy Guerrero 本人のルーツ、スケーターでありながらミュージシャン、紡ぎ出すのは様々なジャンルをミックスさせたオルタナティブ感溢れる音。

このアルバムがさらりと流れていることが、この上なく似合うような店にしたい……

32歳だった私はそう願って店づくりに勤しんだのでした。
その頃から、このアルバムは絶対にレコードで欲しいと思い続けていたのですが、これがなかなか見つからない。
なかば諦めて十数年を過ごしていたら、昨年末にポッと発売されたから驚いた。

 

しばらく開封もせずに、店内に飾っていたのですが、つい先日ふと思い立ちビシッと開けました。
レコード針を落とした瞬間、今まで数百回は聴いたであろう音が、全く違った感触を持って広がるのを感じました。
飾ってあるレコードジャケットを見て「え?これレコードで出てたんですか?」と驚かれるお客さんたちも幾人か。
BGMで流せば、「これ、いいですね。誰なのですか?」と訊かれることもしばしば。
得意げにこのアルバムへの思いを鼻息荒く語りだす鬱陶しい DOODLIN’ BARBER SHOP 店主。

 

十五年前の私よ。
どうやら、ゆっくりではあるけれども少しずつキミの願った店に近づきつつあるようだよ。

 

Tommy Guerrero 、以前彼の主催するイベントに行ったら、開演前の客席を全く気取りもてらいもなくベビーカーを押しながら歩き、ファンの方々と笑顔で語らい、自身のステージでないときも、舞台袖でニコニコと客演の方々の演奏に聴き入り、そして本人のステージでは圧巻の存在感を醸し出しつつも、そこに気負いはなく、ゆらりゆらゆらイイ塩梅に硬質ギターを弾き鳴らしていた。

 

そうだった。
私は彼のようになりたいと憧れていたのだ。
今書いてて、そのことを思い出しました。
大切なことです。
これからは忘れないようにします。

 

DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 高崎哲平

 

ロックと漫画は青春の武器だ

ぶらりと古本屋に入ったら、好コンディションの『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(花沢健吾著)の単行本全十巻が五百円で売っていたので、一瞬も迷わずゲットした。
そして空き時間を駆使し二日で読破。

 

連載当時以来だから十年ぶりに読んだことになるのだが、相変わらずどうしようもない最低の愛すべき登場人物たちに大いに心震わされた。
一切臆することもなく気持ち良いぐらいにあの名作『宮本から君へ』(新井英樹著)の完全パクリなのだが、それがまた良い、そこがまた良いというのが、この作品の凄さだと思う。

 

自分の記憶より急ぎ足の展開の早い物語に感じたのはなぜだろうか。
記憶していたラストと全く違っていたのはなぜだろうか。

 

「ロックと漫画は青春の武器だ」と誰かが叫んでいたが、読み終えて再認識。
青春なんてとうに終えた自分でさえもビシビシ実感できた。
銀杏BOYZ の峯田和伸主演で映画化もされているのだが、そのあまりのハマリ役具合に、峯田和伸がモデルなのでは?と思ってしまうほど。

 

先日、トーク番組に出ていた峯田和伸を見て、やはりその思いは増したし、昨年前にリリースされたシングル『エンジェルベイビー』がテーマ曲のようにすら聴こえて来る。

 

そうそう。
前述した『宮本から君へ』が、なぜかなぜだかいきなりテレビドラマ化されることになって胸躍らせている。
主人公、宮本浩を演じるのは池松壮亮、のちに宮本と結婚する中野靖子役は蒼井優ちゃん、宮本が信頼する先輩は松山ケンイチと凄まじい。
その他怒涛の出演陣に、さらにテンションが上がったのは言うまでもない。
監督は、勉強不足で知らない方なのだが、このキャスティングなのだから全く問題ないだろう。

 

ワンクールにつき、一作はドラマを観る。
そのドラマが放送される曜日が来るのを、次回を観るのを楽しみに待つっつーことが、自分が感じる幸福の基準の大きな一つなのであるが、次クールでは迷わず『宮本から君へ』に決まった。
おそらく伝説のドラマになる……はずだ。

 

この『宮本から君へ』なのだが、学生時代、友人の椎橋タクミが「これ面白いよ!」と貸してくれたのだが、ヘタレだった私はそのエネルギーに満ち満ちた作画と作風にやられ「いや、これオレ無理だわ……」と突き返したのを覚えている。
それが数年後には、人生においてもっとも重要な漫画になったっつーんだから人生って面白い。
そして俺って薄っぺらい。

 

ここまで『ボーイズ・オン・ザ・ラン』と『宮本から君へ』への熱い熱い思いを吐露してきたが、この二作品を「是非読んで欲しい!」と推薦する気は全く全然一つもこれっぽっちもないのはなぜだろうか。
それは多分漫画が青春の武器だからなのだと思う。
武器はそう簡単にひけらかしちゃダメだからね。

 

そんなわけで、次のお客さんがいらっしゃる前に銀杏BOYZの “ボーイズ・オン・ザ・ラン” を聴くとする。
この曲のPVが強烈なのだが、これもまた観ることを絶対オススメしない。

 

股旅。