世界は “初めて” で満ちている

ふと夜中に目が覚めたとき。
腕を下にして寝てたせいで腕の感覚が無くなっていることがある。
動かせないし、触ってみても自分の腕のような気がしないし、冷たくなっているように思える。 寝ぼけた頭で僕は焦る。
これはもう俺の腕は使い物にならないかもしれない……
明日から仕事どうしようか。
いや、でも大丈夫なはずだ。
このパターン、前にもあったし……
などと逡巡しているうちに徐々に感覚が戻ってきて、腕が動くようになってくる。
ほら大丈夫だった…… とホッと尻を撫で下ろす。
僕はこの感覚を取り戻していく過程が好きだ。
絶望から希望へと気持ちを切り替え、そこから這い上がっていく様が気持ちいい。
これは狙って出来るものではない。
以前にも同じパターンがあったと書いたが、思い返しても47年の半生で三、四回ってのが関の山。
だからこそ貴重な体験なのだろう。
ちなみに長時間正座をした後、立ち上がろうとした瞬間に倒れこむのも好きだ。
これも、我が人生においてまだ数回しか体験していない。
これは、狙えば何度でも味わえるものだが自ら望んでその状況を作り出す気はない。
だからこそ貴重な体験だと言えるのだろう。
我が家にネコがやってきて五ヶ月が経とうとしている。 今回のチャンスを逃したら、もしかしたら一生ネコを飼うことはなかったかもしれない。
そう思うと、ネコを飼いたいと言い出した息子に感謝しなくてはだ。
幾つになっても、まだまだ初めての体験ってのは出来るのだなとしみじみ感じ入った。
これから、どんな初めてが待っているのだろうか。
世界は “初めて” で満ちている。

ここなんだよなぁ、ここ。

今日はガタンゴトンと電車に揺られ代官山まで行ってきた。
お目当ては今日から開催されている「DRIVE展」。

 

 

TACOMA FUJI RECORDS とジェリー鵜飼さんが組んで、「ドライブに行きたくなる、車の中で過ごす時間が少しだけ楽しくなる……」をコンセプトにドライブにまつわるアイテムを制作販売すると云うんだから、これは行かなくちゃ!と重い腰を上げて出かけたんだった。

 

 

場所は代官山 蔦屋書店。
これでもかってぐらいのオシャレ具合のこの本屋にいよいよ私も突入したわけだ。
店内は、それはもう期待を裏切らない充実っぷり。
二、三日、ここに軟禁されたいぜ!
って嘆息が止まらないぐらい興味深いもので埋め尽くされていた。
ありゃ玉手箱だな。

 

 

十時半に到着したにも関わらず、幾つかのアイテムは完売。
幸い、自分が欲しかったクルマのシルエットがバイーンと胸にあるニットは残ってたので迷わずゲット。
ついでに、代官山 蔦屋書店限定の「LAZY GEORGE WEST COAST MUSIC」のレコードもゲットできてホクホク。
ジャケットデザインが花井祐介さんってのがまたいい。
もちろん中身も良い。

 

 

なんか、こういうノリを目指したいというか、心がけたいというか、ベリー最高にちょうど良く力が抜けている塩梅に惹かれている。
47歳の床屋のオッサンが、こんなの着ているって、なんかイイじゃないですか!
こういう雰囲気のものを好んで身の回りに置くってのもイイじゃないですか!
と自分で思ってみる。

 

 

そんなわけで、イイ休日を過ごせたようだ。
今流れている音楽は Marc Johnson の「Sound Of Summer Running」。
これまた絶妙な脱力具合。
ここなんだよなぁ、ここ。

 

 

股旅。

春までに

ちょいと近頃読書をサボり過ぎた。
いつの間にやら魅力的な未読本たちが、こんなにも貯まってしまっていた。
これはいけない。
春までにどうにか全て読破したい所存である。
暇な時間をどう過ごすことが出来るか……
その能力を教養というと誰かが書いていたが、欲しいよね教養。心底。
ヒマだ退屈だと嘆いているときこそチャンスだと思わねば。
やろうぜ読書。

 

テレビや映画は時間が過ぎれば終わる。
それで一応「観たぜ」と言える。
しかし、本はページをめくらないと終わらない。
そして、読み終えたとき我が身の血となり肉となったことを実感出来る。
まぁ出来ない場合も多々あるが、読み切ったという達成感はある。
それが大事だと思う。
やろうぜ読書。

 

しかしまぁ、この写真に収められた未読本たちのラインナップってどうなのよ?
と我ながら思う。
軽薄さとさりげなく利口ぶりたいというしょうもない企みがチラホラ見えてくる。
正直、恥ずかしい。
でも載せた。
載せたらなんだか気持ちが良い。

 

調子良ければ今度の五月には48歳になるであろう小生。
96歳まで生きるのは難しそうなので、多分とっくに折り返し地点は通過したことだろう。
そう考えると、死ぬるまでに読める本は限られてくる。
ナイスチョイスして我が身に染み込ませたい。
側から見たら、全然教養なさそうでも構わない。
読んだという事実が我が身を支えてくれるはずだから。
ルルルラララ。

久しぶりにレコード選曲人

久しぶりに定期的にレコード選曲できることになりそうなのです。
場所は RPG,inc さんが主催する所沢市の下山口にある SAVE AREA の2階 “space forrest”。
ココで、RPG のテルノくんがバーテンダーをやる曜日を設けるそうで、その際のBGMを選曲しませんか?との嬉しい申し出。
それじゃあ是非とも!
と話しが動き出したのでした。
とりあえず毎週水曜日にやるそうで、僕は月一のペースでスピンさせて戴こうかと。
夕方から夜までの間に、ぶらりと現れゆらりと素敵な音楽をさらりと流すっつー粋な感じを目指そうかと。

それで、どんな音楽を流すかはテルノくんからテーマやお題を事前にいただき、それに合わせてレコードを選ぼうかと。
ロック、レゲエ、スカ、ジャズ、エレクトロニカ、etc。
ジャンルではなく、静寂、狂熱、チルアウト、みたいなニュアンステーマでも面白い。
CD、PC、iPod などはなし。
全てレコードのみで一時間半くらいやろうかと。
なんて構想を練っていたら、俄然盛り上がってきたわけです。
水曜日、週のど真ん中ってのがまたいい。
場所も、ちょうどいい塩梅で不便ってのもいい。
DJブースの目の前が土足禁止なのもいい。
ゆらりゆらゆら、ゆるく楽しめれば。
その場にいらした方々も愉しんでいただけたら嬉しいです。
美味いフードも出るらしいので是非!

詳細決まったら、またご報告いたします!

股旅。

adidas campus と 蛭子能収先生 とわたし

ココ数年愛用している adidas campus を新調した。
今回はカラシ色。
実にイイ色だ。
気に入っている。
二十数年前にも履いていたので、これで adidas campus は8足目ぐらいになるか。
三十代の頃は、NIKE のAIR FORCE 1 を愛用していたのだが、四十代に突入して「四十代にしてはチョイスがヤング過ぎないか?それってどうなのよ?」と自問し、campus に再びたどり着いたんだった。
我ながら似合っているなと勝手に思っている。
履き心地も抜群だ。
シルエットもイイ。
それはもう文句なしだ。
新調したものはお出かけ用。
今までお出かけ用だったものを仕事用へとシフトするってのがここ数年の流れだ。
次はモスグリーンを狙っている。
街やネットで見かけたら情報ください。

 

 

しかしどうやら、巷では adidas が随分と流行っているらしい。
先日お出かけした際も、adidas のジャージーパンツをペアで着こなすカップルを幾人も目撃した。
私もネイビーの adidas ジャージを持っているのだが、これはもちろん映画『ミリオンダラー・ベイビー』でのモーガン・フリーマン先輩を多分に意識したもので、流行り廃りがどうこうではないつもりなわけで、ヤングマンに「これ今キテるYOね?」と言われたら気絶してしまいそうだからしばしジャージーは封印しようと思う。

 

 

蛭子能収先生の『私はバカになりたい』を手に入れた。
数ページめくって、これはとんでもない本だぜと鳥肌交じりに感嘆した。
でも、この本が思春期を迎えた息子の本棚にそっと置いてあったら、ちょっとだけ戦慄が走る。
そのセンスを賞賛したい気持ちもあるが、ちょっとどうなのよ?大丈夫かな……と心配もしてしまいそうだ。

 

 

でも、こういう毒が青春時代には必要なはずだ。
毒を以て毒だけじゃなくクスリも制す。
これがイイはずだ。
多分きっとそう思う。

 

 

例によって、この『私はバカになりたい』は全くオススメ出来ない。
かつて三島由紀夫さんはこう言ったらしい。

 

「インドには行くべき時期がある。その時期はインドが決める」

 

これは蛭子能収作品にも当てはまる。

 

 

「蛭子能収作品には読むべき時期がある。その時期は蛭子さんが決める」

 

 

私は蛭子さんに決めてもらったから手に取ったのだ。
そういうことだ。

 

 

さてと。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 高崎哲平 拝