傲慢さと虚栄心

昨夜、ぼんやりと観ていた錦鯉がM-1を制するまでの軌跡を追ったドキュメンタリーの中で、彼らの漫才を「四分間の人間讃歌」と称していた。何だかグッと来たので心のノートにメモっておくことにしました。人間讃歌か……イイですね。錦鯉の向かって左側の長谷川さんって私と同い年なんですよ。何だかそれもね、何だか響いちゃんですよね。五十歳でさ、スゴいですよ。ホント凄い。他の若い芸人さんたちにもとても慕われててさ。いやはやホントね。ありがとうございます。

高校生の頃からずっと大好きなバンド “THE POGUES” 。そのフロントマンであるシェイン・マガヴアンが、インタビューの中でいくつかの質問に答えていて、それが妙にググッと来たのは何故なのだろうか。

自分の中で最も嫌っていることは何ですか?
という質問に対し、「自分の傲慢さと虚栄心」と答えているところまでは「ふむ……なるほど」と想定内。
でも、
あなたが最も嫌う他人の特徴は何ですか?
という質問に対しても「彼らの傲慢さと虚栄心」と答えているのに痺れました。凄くないですか?私はこりゃスゴいぜと思いました。と同時に “ME TOOだぜ!”と心の中でシャウトしました。

私も自分の傲慢さと虚栄心にほとほとうんざりしています。そして、オレは他人の中にそれが見え隠れしたときにチリチリしているのかもな……とピーンと来ました。そうなのか、そういうことなのか。教えてくれて、ありがとうシェイン!

ふと目を凝らして見ると、其処彼処に生きるヒントがあることに気づきます。今年もいっぱい目を凝らしまくりました。来年は愛しい老眼ちゃんを更に凝らしたいです。

おまけにもうひとつ。

あなたの人生を描いた映画で、あなたを演じるのは誰ですか?

という質問にシェインが「レオナルド・ディカプリオ」と答えていたのには大笑いしました。抜群にベリー最高に良い答えですね。

私だったら……誰がいいでしょうかね。ここでユーモアを交えて答えるか、真面目に答えるかで迷っている時点で超凡人ですな。

最高につまらない答えを恥を忍んで敢えて言いますよ。

仲野太賀さんです!

Happy Xmas

早朝、息子に叩き起こされる。

もうプレゼント届いているかな?

と目を爛々とさせている息子に「届いているかもよ、探してごらん」と半分眠りながら言うと、息子は寝室を飛び出して行った。

数秒後、ウオーッと叫び声。

どれどれと寝床を這い出し息子の元へ。

袋を破こうとしている息子を制し、iPhone を取り出し、動画撮影の準備が出来てから、はいお待たせと告げる。

ワシャワシャと開けた途端、再びの雄叫び。

サンタさんは、息子のリクエスト通り「ジュラシック・ワールド/サバイバル・キャンプ」に登場するハイブリッド恐竜の1号、コードネーム「E750」の スコーピオス・レックス のフィギュアを持って来てくれたんだった。

あれ?

と息子、もう一つあるじゃん!とクリスマスカラーで包まれたものに手を伸ばし、躊躇なく開けようとしたところを再び制止。

これはあれだ。お母さんがお父さんにくれたんだよ。

開けてみると、何とそれはレコード!しかも、完全限定再発された坂本龍一教授の若かりし頃の傑作アルバム『音楽図鑑』だったんだったんだったん。これ、欲しかったのよ。

妻さんのあまりのナイスチョイスっぷりに、眠気も吹っ飛ぶほど感激。実を言うと、昨夜、恒例の私のケアリスミスで叱られたばかりなので、まさか妻サンタから贈り物を頂けるなんて思いもよらなかったので、その感激は数千倍にもなったんだった。

それプラス小粋なメッセージも付いていて、なんかもう いつもこんなしょうもない五十男にすみません! そしてありがとう!って思いに打ち震えたんだったんだった。

息子は今日から冬休み。お店は例年通り、いや例年よりもかなり忙しい流れを感じている。これはイイ流れだ。これに乗らない手はないぜ。

では股旅。

年末ムードになってきた

注文していた『FACE RECORDS』さんのストレージボックスが届いたので、せっせと愛しのレコードちゃんたちを詰めている。

いやはやアガる。何しろ上がるのだ。これだけで気分が高揚するのだから我ながら阿呆だと思う。

にしても良いな。このストレージボックス。DOODLIN’ BARBER SHOP 謹製で作っちゃおうかしらんと野心が湧く。けども、悲しいかなあまり需要が無さそうなので、やめておいた方が良さそうだ。

近頃、何やらレコードがちょいとブームになっているそうだが、きっと所謂 “静かなブーム” ってヤツだろう。それ即ち、大半の人々は、そうではないってことだ。だって “静か” なんだもの。

これだけ音楽が好きだと「レコード屋さんでも開いたらどうですか?」なんて言葉を時折頂戴するのだが、自分には「到底無理ック!」とお応えしている。自分が好きなレコードだけを並べて、それがビシバシ売れて生活が成り立つんなら良い。そんな嬉しいことはない。

けども、現実はそうは問屋が卸さない哀しき世の中なわけで、自分が “全然良いと思わない but 売れるんだよな〜” 的なレコードの売り上げで生活を支えてもらうっつーのは、なんだかな……それってどうなの?パードゥン?

なんて考えてしまうウツボ野郎な自分には出来ないし、やっちゃいかんのだ。ただの音楽好きな床屋のオッサンであることがベストなのである。

《お知らせ》

年内は大晦日の午前まで。年始は五日からの営業を予定しております。どうぞよろしくお願いします

🤲

いろいろ思いを馳せる日々

いつの間にやら十ニ月も半ば過ぎ。

ハッとしてグッと来て、いろいろあれこれやらなきゃと頭をフル回転するのと同時にジタバタするなよ埃が立つぜと呑気さを装うとする自分もいたりして、うむやはりこれこそが師走だぜと独り頷いているナイスミドルであります。

今風に言うと“インプット” ?
なんだか貪欲に観たり聴いたり読んだりしていますが、“アウトプット”?
これがなかなか出来てない今日この頃。

『浅草キッド』のことやら『コブラ会』のことやら、グソクムズの1stアルバムのことや、スチャダラパーの『大余談』のこととか、朝ドラのこととか、いろいろペチャクチャ書きたいのですが、頭がワーっとなってて書けない。
整理がつかない。
ま、こういうときってありますよね。
うん、あるある。

ともあれ、どっぷりハマって見ていたドラマ『最愛』が、今夜最終回なわけで、犯人が誰なのか、どんな終わり方をするのか、全く予想出来ないのですが、それが気持ちいい。
出演している松下洸平さんが愛用している時計が、私と一緒だったりして、それがなんだか嬉しい。
相変わらず、実にささやかです。

さてと。
怒涛の年末を駆け抜けますかね。
ご予約もだいぶ埋まって来ております。
年内に散髪するぜ!
とお考えでしたら、ご連絡はお早めに。
年内の営業は、大晦日の午前中までにと考えております。

では股旅。

ユーモアで乗り切る

今日、幼なじみの大ちゃんがカットしに来てくれた。

仕事現場に行ったら、相手の手違いで仕事が出来ず「じゃあどうするべ……そうだ髪を切ろう!」と思い立ち、連絡をしてみたら、こっちも丁度良い時間が空いてて、見事ジャストフィットスムーズインとなったわけである。

仕事が出来なかったのは残念だけども、そのおかげでこうやって髪も切れたし結果オーライだよ!

と大ちゃんは笑う。この “気の持ちよう”って大事だよな〜と思うのである。五十歳ともなると、怒りとかイラつきってヒジョーに消耗するのよね。だから、それを心がけている人って歳を重ねるごとに穏やかに優しくなれるんじゃないかと。突き詰めれば、自分のためにそうしている、そうななって行くんじゃないかと……違うか?

“気の持ちよう” で忘れないようにしたいのがユーモアを保つこと。ユーモアがあればなんとかなる、華麗にサラッと乗り切れる……ような気がしているのだ。

その思いはここ最近増すばかりだ。確信も自信もない。だけど、なんとなく最後に “ヘヘヘ” と笑えたらさ。それで良いじゃん!ってなるような気がしている。最後に笑えるための努力は惜しんではならない。楽しむために楽はしちゃいけない。ん?なんだか禅問答みたいになってきたな。いいぞ。

でも、あまりユーモアを多用していると、時折現れるユーモアの通じない人にこっ酷く叱られるので、ユーモア使用頻度は気をつけたいところだ。

逆境でも笑えるってのは強さだよね。強さだし優しさだよね。

そんなことをぼんやり考える晩秋なのである。

股旅。