おやじロックか……

“DAD ROCK” という言葉があるらしい。

“親の世代が聴くようなロック”
ってことだそうだが、それってどんなアーティストたちが挙げられてるのかしらと調べてみたら、まさに自分が80〜90年代にかけて夢中で聴いてた方々ばかりで、そっか……そりゃそうだよな〜いつの間にか僕らも若いつもりが歳をとったんだな〜
〜と妙にしみじみ納得したんだった。

日本では“おやじロック”と直訳されてて、ネット界隈を眺めると

“オッサンたちが今の音楽を認めず、いつまでも若い頃を引きずってずっと聴いてるダサい音、つまりオッサン達はダサい!”

ってな感じで使われているなと自分は感じた。
海外では、どちらかというと好意的な意味合いで使われることが多いらしいので、その違いが面白いなと思った。

最近ではオアシスの再始動が話題になった。
oasis のアルバムは持っているし、結構聴いたし、それなりに思い入れもあるし好きではあるが、熱心なオアシスファンの方々ほどの熱量は自分の中にはないし、今回の再結成もそこまでの感慨深さはないってのが正直なところ。

同じく、Red Hot Chili Peppers もかなり好きではあるが、来日公演?絶対行くぜ!ってほどの熱さはない。

じゃ、お前の中で熱量高いアーティストって誰よ?

と自問してわかった。

私の中で熱く燃え&煮えたぎっているのは、Nirvana、Beck、Underworld、この3つだな。
当時、色々聴いたし、好きなアーティスト、好きなアルバムもいっぱいあるけど、上記の3組はパパパと初めに思い浮かんだし、つまり私の中で別格なのかもなぁと思う。
これ、結構賛同してくれるオッサン多いと思うんだけどどう?
あ、Rage Against The Machine もかなり熱いな……うーむ、挙げ出したらキリがなさそうなんで、この辺にしとこう。

ま、私が思うのは、オッサンたちは「今の音楽はどうのこうの……」だなんてわざわざ言わない。
若者たちも「オッサンたちダサ!おやじロックダサ!」とか言わないで、自分が好きなものを大事にすれば良いってこと。

思えば私も散々言ってきた気がする。
音楽に限らず、映画、マンガ、アニメ、小説などなど色々ああだこうだ言ってきちゃったな。
もう言わないよ。
尊重するよ。
だから、言わないで。
尊重して。
ウフフ。

あ、個人的にはLINKIN PARKの再始動はかなり熱い。
新曲もかっこよかった。
7年ぶりのニューアルバムも楽しみ。
以上!

欲望を止めるなよ

二十年前、DOODLIN’ BARBER SHOPを開店した際、旧友カワサキから「これ、きっと店に合うと思うから……」と預からせてもらったボ・ディドリー モデルの四角いギター。

開店当初より “GOOD MUSIC & POSITIVE VIBRATION ”を基本コンセプトとして標榜して来た我が店の核となるものとして、ずっと飾らせてもらっていました。

だけどもだけど、私はギターを弾けません。
雑に扱ったりはもちろんしませんでしたが、ただ飾られているだけになってしまっていた四角いギター。

それを、最近にわかにギターに興味を持ち始めた小6息子が手に取り、爪弾き始めましてね。

自分でメンテナンスをするんだと、ボディを磨き上げ、経年劣化が見られたペグやブリッジを取り替え、再び命が吹き込まれようとしているのを見て、床屋のおやじさんはジーンと感慨深いものが込み上げているのです。

やはり人生はスペクタクルだなぁと。

しかしまぁ、子どもの集中力ってのは凄まじいですね。
あれよあれよと言う間に、ギターに詳しくなっているし、自分好みのギターの音もあるようでエフェクターがどうとか言い始めているしで、すぐさまジャカジャーンとカッコよく弾き鳴らすに違いありません。

プラモデルも、あっちゅう間に上手になりましたからね。
彼らは失敗を恐れませんからね。
好奇心に突き動かされて生きてますから。

ギターに興味を持ったきっかけはニルバーナ。
三十年前、私も夢中になった伝説的なバンド。
いやはや凄いことです。
ホンモノは軽く時空を超えますね。

世界のどこまでも飛んで行けよ
ロックンローラーになれよ
欲望を止めるなよ
コンクリートなんかかち割ってしまえよ
かち割ってしまえよ

そのザワザワに用がある

十数年ぶりに映画『ダイ・ハード』を観ました。
放送予定を番組表で見つけたときには心が躍理、迷わず録画予約をしましたよ。

公開年は1988年、私は高校2年生。
映画界ではまだ無名に等しかったブルース・ウィルスを一躍スターに押し上げた大傑作であります。

見始めてすぐ「むむ?」となりました。
ココ最近のアクション映画やSFスペクタクル大作などでお約束となりつつある、オープニングからの「ドドーン!ドンガラガッシャーン!よっしゃ掴みはオッケー!」的な展開は一切なし。

ススーッと静かな導入部。
これじゃもしかしたら現代っ子の我が息子は「何これ?ちょっと退屈なんですけど!」と言い出しかねないなと思いました。

いやちょっと待って。
これから盛り上がってくるんだよ。
だから、それまで耐えて!
ってのは、今の若人に通じるんですかね。

“ファスト” でしたっけ?
今の世の中、何でもかんでもドンドン早くなっていきますね。
それは多分きっと良いことなのだろうけども、己のオッサン化が絶賛進行中の身としては「慌てない慌てないひとやすみひとやすみ」と息切れしながら言いたくなることもしばしば。

(今これ書いてて、ひとやすみを漢字にすると「一休み」だから、アニメの一休さんはいつもCM入るときのジングルでこのセリフを言っていたのだな!なるほど!と気づきました。ちょっと感動)

ツラツラとどうでもいいことを書いてきましたが、とどのつまり何が言いたいかというと「まあ、のんびり行こうぜ。ジタバタするなよ、埃が立つぜ。」ってことです。

手始めに読書はいかがですか?

私は、五十五歳まで(つまり二年間)に吉村昭作品&中上健次作品を全て読破することを目標にしました。
今の私に必要ないろんなことが凝縮されているような気がするんです。
どちらを読んでいても、心がザワザワさせられるんです。
それは全く違う種類のザワザワなんですけどね。
今、自分の中で大切なのが、このザワザワなんです。
いいもんですよ、ザワザワ。

多分、人はそれを忘れない

相変わらず、時間を見つけては散歩に繰り出している。

道中、カブトムシやクワガタが捕れそうな樹をチェックするのがクセになってて、昆虫採集にシーズンインした今、あちこちでその黒光する勇姿を見かけるのだが私は捕らない。
近づいてゆっくり眺めた後、溢れ出る樹液の匂いをクンカクンカしてから立ち去るのだ。

小6となった息子は昆虫に対する興味を急速に失ってしまったようだ。
私が採って帰っても、あんまり喜んではくれないだろうと予想がつく。

思い返せば私もそうだった。
夢中だったはずのものが、いつの間にか興味の対象外になっていた。
興味を失うきっかけが何かすらわからず、わかろうともしなかった。
で、新しく情熱を注げるものを見つけ夢中になる。
多分、人はそれを“成長”と呼ぶのだろう。

でも、それを忘れることはないのだね。
息子と昆虫採集した日々は楽しかった。
私が幼少時に感じた感動や興奮が瞬く間に蘇った。
プラモデル作りもそうだ。
模型屋さんでいくつものキットの中から、次は何を作ろうかなと吟味しているとき、せっせと作っているとき、私の隣には息子とまだ子どもだったリトルテッペーがいつもいる。
それが嬉しいし楽しい。

夢中になったことは忘れない。
どこかにそっと隠れているだけで、いつでもきっかけがあれば飛び出してくる。
これはきっと人生の宝物なんだろう。
夢中になれることは一つでも多い方がいい。

そんなことをぼんやり思う土曜日の朝なのである。
土日は猛烈に忙しいのが定番。
ご予約をお断りしてしまうことも多くて申し訳ありません。
ウソのようにのんびりな平日があったりして、幾つになってもそのバランスが上手くとれない床屋のオッサン。
それが私です。

股旅。

全てが良い塩梅

以前からその存在は知っていて、いつか読みたいと思っていた本が文庫化されたという情報を入手し、これはナイスな切っ掛けだぜと早速手に取ってみた。

で、読み始めたのだがチンプンカンプン。
まずイメージが湧いてこないし、登場人物の名前が覚えられないし、物語が入って来ない。
かと言って、決してつまらないわけではなく、その独特な語り口と世界観にはビリビリ来るのだが「あ〜これは今の自分には手に負えないな〜」と30ページほど読んだところで、そっと本を閉じたんだったんだったん。

私は、世紀の傑作だとあちこちで絶賛されている名作を読み進められない自分を恥じた。
多分きっと、二十代の頃にこの本を読んでいたら一気に読めたと思う。
そして大いに心動かされたのだろうと思う。

初っ端に打ち当たる壁を破壊する喜び、興奮が若い頃にはあった。
今はもうない。
その気力も胆力もない。

こんなことを書いていると、自分の老いを自覚して遠い目をしちゃって黄昏ているかと思われるかもだが、全然それはない。
むしろ、この脱力さ加減を歓迎している。

スッと入って来ないのなら、入って来なくても良し!次!

これでいいのだ。
ジタバタするより自分に甘くてスッと馴染むものを見つける方が良い。
若くして、こうなってはダメだが、私ももはやナイスミドル。
それでいいじゃない。
ダメ?

そんな流れで、次に読み始めたのが
『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』 松永良平著

“落ちこぼれ大学生だったぼくが、音楽ライターになるまで……。
音楽と、レコード屋とともに過ごした「平成」の記憶を、数々の名曲とともに綴る青春エッセイ……”

もう、この帯に書かれた一文でガツンと来た。
で、読み始めたら、やはり最高に面白い。
スイスイ読めるし、全てがスッと入ってくる。
これこれ!

著者は、私の三つ年上。
過ごした場所や、見たライブ、聴いたレコードも重なるばかり。

なんだか、こういう本と巡り合う機会が増えているのを感じる。
きっと五十路のオッサンたちが、あの頃は良かったよな〜と90年代を回顧し始めまくっているんだろうな。
ま、実際良かったしね。

私も機会を見つけて、平成に出会った音楽たちのことを書いてみようかな。
もちろんBGMは、折坂悠太の名作アルバム『平成』でね。

股旅。