手掛かりになるのは 薄い月明かり

昨夜、西所沢 C.V.C MALL 二階 SPACE FORREST で「BAR CLOSED」でレコードセレクターをしてきました。
久しぶりだったので心地よい緊張感の塊になっていましたが、一夜明けた今は心地よい疲労感に包まれてます。
足を運んでくださった皆さま、ありがとうございました。

 

 

十数年 DOODLIN’ BARBER SHOP に通ってくださっているお客さんが来てくれまして。
僕の選曲から、今まで店だけの付き合いだけではわからなかった僕の人間性が垣間見えた。それがとても良かったし嬉しかった。これからはまた違ったスタンスと目線で接することが出来る!
てなことを言ってくれまして。
ああ、やって良かったなぁとしみじみ思ったのでした。

 

 

そうなんです。
たかが選曲だとお思いの方もいるでしょうが、そこから人間性、果ては性癖まで垣間見えてしまうことがあるのです。
そこが不思議で面白い。
僕はレコードのみで選曲したのですが、それもまたある意味性癖と言えるかも知れないな……なんて考えるとちょっと怖くもありますが、ともかくまあそういうことなわけです。

 

 

 

近頃、よくTHE BLUE HEARTS のアルバム『STICK OUT』を聴いているのです。
発売当初は、あまり馴染めなくてあまり聴いてこなかったアルバムなのですが、ここに来て僕のハートに急接近。
そしてすぐさまフォーリンラブと相成ったわけなのです。

 

 

そもそもアルバム終盤の「月の爆撃機」からラストを飾る「1000のバイオリン」と云う劇的な流れを前にして、よく馴染めなかったな若僧のオレ!と地団駄を踏みまくってしまいます。
それもまた若さゆえの過ちなのかもしれませんが、図々しいこっちゃなと我ながら呆れてしまうわけです。

 

 

来月六歳になる息子も「1000のバイオリン」がお気に入りのようでして。
中でも歌詞の中にある ♪楽しいことをたくさんしたい♪ ♪面白いことをたくさんしたい♪ が彼には響くようで、こう僕に言うのです。

 

 

「この歌を歌っているヒロトは子供の頃、楽しいこと面白いことをたくさんしてたのかなぁ。オレもしたい!」

 

 

 

なんかそれを聞いて床屋のおっさんはグッと来てしまったのでした。

 

 

“細かいことを考えて悩むことがいかに無意味かっていうことは、多くの音楽が表現している……”

 

 

これはリリー・フランキーさんの言葉なのですが、ホントその通りだなぁと。
音楽の力と云うのを再び実感しまくりの今日この頃なわけです。

 

 

 

さてと。
そろそろ仕事に取り掛かりましょうかね。
昨夜、セレクトした音楽を流しながら。

 

 

股旅。

ナイスミドル参上

「和歌山毒物カレー事件」があったとき。
一人の女子中学生が夏休みの宿題で「カレーは腐らないから食中毒じゃないはず。毒物混入では」と推理して注目をされていたことを思い出した。
当時、私は彼女の推理を読み「なるほど〜!このコは将来一角の人物になるんじゃないか?」と感心したんだった。

 

 

そんなことを昨夜ふと思い出し、ひょっとしたら今彼女は取材時に「将来は医者になりたい」みたいなことを言ってたからホントに医者になっちゃってたりなんかしちゃったりして……

 

 

と鼻息荒く検索してみたのだが、彼女は高校を中退してその後どうしたかは不明、しかもあの推理自体が彼女の父親の入れ知恵だったのではと云う疑惑もある……なんつー結果しか出てこなくて、私は「なんだかな〜」と少ししょんぼりしたんだった。
知らないままの方がよかったぜ。
勝手ながらさ。

 

 

それともう一つ。
テレビで立山連峰が映し出されているのを見て、ふと私が小学五年生のときに父と二人で立山連峰の雄山(標高3003m)に登ったことを思い出したんだった。
いろいろと詳細を思い出し巡らせているうちに「あ!」と気づいた。

 

 

あのときの父は今の私と同い年だったのだ。
酒飲みで唯我独尊ぶりが激しい父であったが、今の自分よりずっとずっと大人だったなぁ。
今、私が3000m級の山を子供をサポートしながら登るなんて到底出来ない。
すごいぞ、父。

 

 

あんな元気だった父も今や84歳。
自分も父の年齢になる頃には(生きていられればだが)あんな風にどこからどう見ても間違いない完全たる爺さんになるのだなぁとしみじみしてしまった。

 

 

 

そうそう。
明日は、西所沢 C.V.C MALL 二階 SPACE FORREST で「BAR CLOSED」で
レコードセレクトさせていただく日。

 

 

BAR CLOSED 主催でありバーテンも勤めるテルくんが華麗に放ったお題『カカオ』をイメージしてレコードを選ばなくてはなのである。

 

解釈は自由とのことなので、お言葉に甘えて思いっきり自由にイメージを膨らませている。

 

 

カカオ→チョコ→原産地が南米だったりアフリカ→それすなわちブラックミュージック……なんじゃないかと。

 

 

そこでふぁふぁ〜んと思い浮かんだのは、なぜかファンクだった。

 

 

カカオがファンク……

 

 

少々無理があるようでもあるが、いや待て全然無理ではないぞ。

 

 

と言いつつ、はたから見たら何でもありのようなセレクトになるだろう。
ファンクばかりにこだわらず、何だか「カカオ」な選曲が出来たらなと思う。

 

 

BAR CLOSED は18時オープン。
私は、20時半〜21時くらいから、1、2時間やる気満々です。
しかも、今の気分としてはターンテーブルは一台のみ使用。
ヘッドフォンもなしで、ブチブチ切りながら一曲一曲フルコーラスでと考えております。
もちろん全てレコードのみで。
うふふ。

 

 

なかなかのナイスな時間を保証いたしますので、タイミング合いましたら是非ともいらっしゃってください。

 

 

 

それではまた。

いつの間にかそうなっている

今日、パラパラと読んだ漫画に

 

「人間の脳は努力できる脳と努力できない脳の二つに分かれる。これは先天的な要素が強く精神論でどうなる問題ではない……」

 

 

と書いてあって、自分はきっと努力できない脳の方だろうなとぼんやりと思った。

 

 

その漫画では、それを判断する方法も示されたのだが、そういう実験だとわかったら、どうやっても努力できる脳だと判断されるように多少無理してでも頑張っちゃいそうだよなオレ……と思った。

 

 

そうなると、それはどっちの脳なのだろうか……ううむ……

 

 

 

そんなことを考えるのが私は好きである。

 

 

昨日、髪を切りに来てくれた川越のうどん屋と飲んだ。
そういえば、年末年始も一滴も酒を飲まなかったのだが、果たしてどれくらいぶりの飲酒だったのだろうか……

 

 

ああだこうだと他愛のない話をつらつらとして楽しかった。
思えば、彼との付き合いも随分と長くなった。
年齢は三つほど私の方が年長なのだが、この年齢になるともうそんなの差でもなんでも無くなって来ている。

 

 

若かりし頃は年齢差を気にしたものだが、それも年を重ねるごとにだんだんと気にしなくなった。
激変より、こういうちょっとずついつの間にか変化することが私は好きだ。
激変ってのは、なんだかちょっとわざとらしいというか、なんちゅうか本中華。
あれ?いつからこうだっけ?まいっか!

 

 

こういうのが、私は好きであ流。

 

 

肩肘張らずとか脱力だとか、意識しているうちはダメよね……と思う。
努力できる脳か……
そういう脳の持ち主の幸福度って高いのかなぁ。
その辺も漫画内で言及してくれると面白いんだけどな。

 

なんてことを、ぼんやり考えるのが私は好きだ。

 

 

股旅。

冬来たりなば

昨日は節分でしたね。
仕事を終えると息子に鬼の面を渡され、これをかぶってくれと頼まれました。
それからガッシガシ豆を投げつけられました。
まあまあ忙しい一日だったので、それほどの鬼っぷりを出せませんでしたが、息子と一緒に風呂に入ってたら「楽しかった〜ありがとう!」と言われたので、ああやって良かったと思いました。
こんなほんのちょっとのことで子供は喜んでくれますね。
それがわかっているのに、疲れただの、面倒くさいだのとサボりがちになってしまう己に「喝!」です。
そんな息子は近頃サメに興味津々。
危険生物図鑑を引っ張り出して、ホホジロザメを描きだしました。
このとき「あっ!」と思ったのです。
絵を描くのが好きな息子なのですが、今までは自分で想像して描いていたなと。
何かを模写して描くのは初めてなんじゃないかなと。
幼稚園ではやっていたかもですが、私の目の前ではこれが初めてでした。
そして、その出来上がりの素晴らしさに唸りました。 何が良かったかなんて専門的なことはわかりませんが、息子の描いたホホジロザメがともかくカッコイイなと感じたのです。
カッコイイって大事じゃないですか。
きっと息子もカッコイイの大切さをわかり始めているに違いない。
そう思いました。
歯から描きだしたのにも感心しました。
それを描くにあたって、どこがポイントなのかを息子なりに考えているのだなと。
そんな息子が「コロコロコミック」を読みたいと言うので、買ってきたのです。
私が読んでいた四十年前のコロコロは330円。
それが550円になっていたのには驚きました。
大きさと厚さはそのまんま。
付録もギッシリ詰まっているようです。
息子が帰ってくる前に、読んでしまおうかしらんと一瞬思ったのですが、グッと堪えました。
あの開く瞬間のドキドキをオッサンが奪ってはいかんですね。
発売日は変わらず毎月十五日なのかしら。
ライバル誌だったコミックボンボンはまだ出ているのかしら。
プラモ狂四郎はまだ連載しているのかしら。
コロコロだけで話題が広がる広がる。
そんな息子が可愛がっているネコの すなすけ は今日去勢手術をしているのです。
今朝、動物病院に預ける際の表情を見たら切なくなりました。
夕方には迎えに行くのですが、無事終了していることを願います。
今日はまるで春のような陽気ですね。
イイです。
股旅。

悩んで 学んで

先日『デトロイト』って映画を観たのですよ。
キャスリン・ビグロー監督がデトロイト暴動を描いた作品。
そのオープニングで使用されたアニメーションがとても魅力でして。
力漲る活力がビッシビシ伝わって来たのです。

 

 

ちょっと調べてみたら、ジェイコブ・ローレンスと云うアフリカ系アメリカ人が描いたものでした。
と言っても、ジェイコブ・ローレンスさんはすでに死去なさっておりまして。
その作品を現代テクノロジーで動かしたものだったのでした。

 

 

この映画を観ることによって、このジェイコブ・ローレンスの存在を初めて知ることが出来ました。
何かに触れることによって、そこから広がる何かがある。
とても興奮しますよね。
ありがたし。
(ちょいとポストカードとか欲しくなったので今度探してみようと思う)

 

 

この映画。
暴動の中、三人のアフリカ系アメリカ人の若者が白人警官によって殺されてしまうと云う凄惨な事件を描いたものなのですが、その残虐な白人警官を演じたウィル・ポールターは、自分が演じる役への激しい嫌悪感と監督からの追い込みで、撮影中泣いてしまったそうです。

 

 

大嫌いな人間を演じるって……
想像しようとしてもピンと来ません。
出来れば、魅力ある人間を演じたいのではと思うのです。
たとえ悪役であろうとも。
でも、彼が演じた役はホント酷い。
ここまで悪い役ってのもなかなかないぐらいの酷さでした。

 

 

俳優というのは決して自分が演じたい役を演じられるわけではない……

 

 

よく考えれば当然のことなのですが、この作品を観て初めてそういうこともあると知ることが出来ました。
これまた、ありがたし。
世の中にはこういう仕事もあるのですね。
役者ってのは大変ですな。
考えさせられます。

 

 

それと、このデトロイト暴動にボーカルグループの The Dramatics が被害者として関わっていたこともこの映画を観て初めて知りました。
普通に今までさらりと聴いていた The Dramatics が、今後は違ったように聴こえることでしょう。

 

 

一つの映画から、いろいろなことを知る機会を得られる。
映画じゃなくても、本からでも音楽からでも得られる機会がある。
それがだんだんと繋がっていく面白さと嬉しさ。
たまらないですね。

 

 

さてと。
次に観るのは『gifted/ギフテッド』だな。
本もちゃんと読めている。
音楽も積極的に聴けている。

 

 

上々です。