無知を知るということ

おはようございます。
昨日の天気予報は、春の嵐が吹き荒れるとのことだったのですが、所沢市三ヶ島はそれほどではなく過ぎ去り、ホッと尻を撫で下ろしている次第であります。
なので久々に曽我部恵一さんの『春の嵐』を聴きながら、この日記を書くことにしました。
相変わらず良い曲です。

 

コーエン兄弟の監督作品『ヘイル、シーザー!』を観ました。
面白かったです。
けども、その時代背景や舞台となるハリウッドの内部事情を知っていないと、ほとんど理解できないネタばかり。
その勢いと匂いを嗅ぎ取った、でもそれだけでも「面白かったなぁ」ってそんな感じです。

 

WOWOWの「W座からの招待状」という番組で放映されたのですが、番組ナビゲーターである小山薫堂さんが、この映画の招待状として

「知っていることと知らないことは、同じものを違うことにしてしまう。
だから知らないよりも、知っているほうがいい。
ただ、知らないということを知っているほうが、知っているよりも価値になることもある。」

と書いていて、妙に納得しました。
これっていろいろ様々なことに当てはまるなと。

 

知ったかぶりでいい気になって心に風も吹きやしないってことはままあることです。
「ああ、俺知らないわ、わからないわ……」と自分で認識出来たら、その先があるような……そんな気がするのです。
無知は恐怖ではありますが、無知を知ることが大事というか、無知だと知っていればまだ大丈夫と云いますかね。
書いてて、ちょっと意味わからなくなって来てますが、そう認識出来ているから大丈夫かもなって話です。笑

 

物語終盤の台詞。

 

『映画には価値があり、映画に尽くすのが自分の価値だからだ』

 

が心に刻み込まれました。
ボクの仕事、床屋、いや理容業にも同じことが言えるなと感じました。
そこに価値があるかどうかは自分で決める。
来月で四十七歳になるし、もう良い年齢なわけだから、その辺はちょっとぐらい傲慢になっても良いかなと。
質の良い傲慢ってやつです。

 

さてと本日は定休日。
良い一日になりますように。

 

DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 高崎哲平 拝

こんなドキドキ感

前々からスケートボードが欲しかったのだ。
自分が乗るためではなく、店内室内の飾り用としてだ。

でも、スケーターでもないくせにボードを飾るってのもミーハーで浅はかだなとその思いは封じ込めてきたのだった。

しかし、ここに至って目からウロコが落ちまくるような驚愕の事実を知った。
なんとアメリカにこのスケートボードを子どもがカットする際の補助椅子の代用品として使用している床屋さんがいるらしいのだ。

その手があったか!
スケーターじゃなくても、それなら店に置いてもよかろう。
圧倒的大義名分を手に入れたってわけだ。

衝撃である。
近頃、キッズのカットを任されることがグイグイ増えてきた我が DOODLIN’ BARBER SHOP。
実は、何処かにナイスな補助椅子ないかな〜やっぱないよね〜と日々悶々としていたのである。

ここで、まさかまさかのスケートボードっつーナイス過ぎるアイデア。
補助椅子のなんとなく垢抜けない感じがちょいと難点だったのだか、そんな問題楽々クリアしちゃうスケボーのストリート感。
イイぜ!

っつーことで、生木のボードをゲットしたわけだが、そのまま使うのも寂しい。
全国各地の理容室のナイスなステッカーをビシビシ貼るってのもありだが、ここはやはり友人であるさすらいの絵描き人アラヤンに描いてもらおうじゃないか!
と思い立ったら興奮が止まらなくなったんだった。

そしてアラヤンからも快諾を得て、近々、世界で一つのキッズ用補助椅子替わりのスケートボードが生まれるのである。
スケーターでもないくせにである。

こんなドキドキがこれからもいっぱいありますように。

さらば運動不足

昨日。
三年、いや四年ぶりぐらいに待望の自転車生活を再開した。
たるみきったガタピシの老体を初っ端から鞭打つわけにはいかないぜと、まずは30分ぐらい、距離にして10kmほど走ることにした。

 

肩こりやら座骨神経痛やらの諸悪の根源はすべて運動不足にあり。
ツケは大きいが、少しずつ改善していこうと思う。
焦りは禁物なのである。
ここで焦ると膝やら腰やらがデストロイされてしまうからね。

 

しかし、たかが三十分ほどの激走ではあるが、その効果は物凄いなと実感している。
体内に火が灯った感がある。
やる気スイッチを片っ端から押しまくられた感がある。
エネルギーが満ちてくるのを感じる。
滞っていた何かがちょっとずつだが流れ始めた感もある。

 

菜の花の匂いが花をかすめる。
ウグイスが鳴いている。
風を切る音が耳に心地よく響く。
全てがオールライト。
全てがルルルラララだ。

 

復活を祝して、ボロボロだったサイクリンググローブとハンドルグリップを新調した。
これからどうにか時間を見つけて、短時間短距離でもいいから、少しでも走るようなエブリデイにしていこう。
言っておくが、いくら音楽好きなボクでも音楽を聴きながら走ったりはしないぜ。
あれは危ない。
良いこのみんなも絶対しないように。
ヘルメットもかぶろうぜ。
もちろん原則左側通行だ。
交通ルールを勝手に都合よく解釈しちゃダメだぜ。

 

心持ちはあれだ。
柳生宗矩先輩だ。
先輩は、身分老若男女問わず、往来ですれ違う際には道を譲ったと伝えられている。
目指すはその境地。
何があろうともニコニコだ。
甚だ難しいことではあるけども。

ジェットコースターに乗っているような日々折々

先月末に五歳になったばかりの息子。
成長していることを実感させられる日々にハラハラワクワクしております。
自我が目覚めてきたのか多彩なワガママっぷりを魅せまくったと思いきや、随分としっかりしてきたなと目を細めさせる行動もしばしば。
いやはやそれはもうスリリングであります。

 

仕事中に店にいることもしょっちゅう。
いろいろなお客さんたちとの出会いに多くの刺激を受けていることでしょう。
店内に流れる音楽にも好き嫌いが出てきたようで、このお客さんなら大丈夫と思ったら得意げにリクエストまでしてしまう始末。

それがまだ場の雰囲気を読んだ選曲なら良いのですが、今ここで?それを?まさか?とひっくり返るような選曲だったりで、居合わせたお客さんも驚かせちゃったりして、なんだかもう、どうもすみません。

 

昨日。
そんな息子が、店のソファでせっせと何かを作っていました。
お客さんが連れていらした三歳のお子さんに見せるのだと張り切って、折り紙やらハサミやらセロファンテープを持ち込み、息子の大好きな Electric Light Orchestra の “Mr. Blue Sky” を流しながら鼻歌まじりに作り出したのがこれ。
親バカ万歳で、その完成度に瞠目しました。
息子の大好きなスピノサウルスです。
見本もなしに記憶だけで作ったのです。
ペンと紙があれば、サラサラと恐竜の落書きをしていたのですが、ココに来ていきなりグググイと格段の進歩を遂げたなと感じました。

 

恐竜が好き過ぎな息子は、食事中も『ジュラシックワールドのインドミナスレックスとティラノサウルスが戦うところ!』だとか『ジュラシックパーク3のスピノサウルスが出てくるところ!』を見せろと言います。
「ゲヘーまたですか?」 と飽き飽きしてたりもしたのですが、そんな親心とは裏腹に、彼はものすごい集中力で恐竜たちの姿を脳裏に刻み込んでいたのです。
なんだかもう、ごめんなさい。
ひょっとして天才なのでは?
いやいや、ちょっと大丈夫なの?
とジェットコースターに乗っているような毎日ですが、ここで成長を見守る心持ちを手に入れることが必要なのだなと思います。

 

「僕が子どもを育てているなんて考えはおこがましくて、僕は息子に父として育てられており、妻からは夫として育てられている日々だ。
妻と息子も同じことで、僕たちは家族として成長している……」

 
これは猟師で写真家でもある幡野広志さんの言葉。
なんだかビシリと心身に響いたのでココに記させていただきます。

 

床屋としては、より良い仕事をして、より良い店を作っていきたい。
より良い父、より良い夫にもなっていきたい。
これがなかなか簡単な道程ではないところが面白い。
でもいつ何時でも、私のバックグラウンドでは、家族のバックグラウンドででも、素敵な音楽が流れ続けております。
そこだけは怠っていないなと自信を持って言えるのです。
今は、Glen Campbell の “Southern Nights” が流れてますもの。
相変わらずバッチリの選曲です。

 

DOODLIN’ BARBER SHOP 店主

GOOD LUCK TRACK を聴きながら

月曜日から今日までの四日間、春休みをいただき、妻さんの実家がある北九州へ赴いて、いろいろあれこれのんべんだらりと楽しく過ごしてきました。
明日からまたビシリと働きますので、せっかくお問い合わせいただいたのにカット出来なかった方々ご勘弁を。

 

帰宅すると待ちに待った竹原ピストルの新譜が届いておりまして。
今から聴きながら書こうと思います。
時折、文面にテンションが高くなったのを感じましたら「あいつめ、竹原ピストルに感化されていやがるぜ!」と思っていただけたら幸いです。
まあ、ともかく今一曲目なのですが早速たまらないです。

 

今回の春休み。
恐竜が大好きな我が家の五歳児のためにと、北九州いのちのたび博物館に行ってきました。
いやはや最高でしたね。
博物館なんて、中学時代の社会科見学で行った国立科学博物館以来かしらん。
のっけから、ティラノサウルスの復元全身骨格が待ち受けていたのですが、そのデカさと迫力に鳥肌ヴィンヴィン。
入館前に「何が楽しみだい?」と訊いたら「ティラノサウルス!」と即答していた息子が尻込みして写真を取ろうとしても近寄ろうとしなかったぐらいですもの。
こんなデカいのが闊歩してたなんて……想像しただけで腰が抜けそうでした。

 

今、三曲目の『ゴミ箱から、ブルース』に入りました。
竹原節全開でございます。

 

この春休みで、読みたかった『記憶の地図』(ジェリー鵜飼著)と『いのちの姿』(宮本輝著)を完読することも出来ました。
どちらも手前勝手にいっぱい感銘受けさせてもらいました。
ありがとうございます。

 

ここまで書いたことと関係あるよなないよな話なのですが、ここ最近にボクが心動かされた音楽や書籍の作り手さんたちの幾人かが、ボク的に「え?ウソでしょ?ものすごく意外!」なのですが、酒を一切飲まない、もしくは極端に弱いのだと知りましてね。
近頃めっきり酒を飲まなくはなりました小生ではありますが、ガブ飲みしてた頃は「酒には何かがあるに違いない!」「酒があってこそ作り出されるものがある!」と半ば宗教じみた考えで盲信していたことがガラガラと音を立てて崩れてしまったと言いますかね。
「なんだ酒いらないんじゃん!」と拍子抜けしてしまいました。

 

でも、心地よい拍子抜けなんです。
そもそも、拍子抜けってのは気持ちのいいものなのかもな。

 

こんなしょうもないことを書いているうちに、竹原ピストルのニューアルバムも六曲目へ。
残りはこれからゆっくりじっくり聴こうと思います。
正直今、「あれれ?ちょっと違くない?」と思い始めてますが、きっとこれでイイのです。
初っ端から耳当たりの良いアルバムより、ちょいとクセがある方が後々沁みて来るのですよね。
四十六年間生きてきて知り得た数少ない人生の真理の一つがこれです。

 

それではそろそろ撤退します。
ありがたいことに、週末の予約はかなり埋まりました。
とは言っても、日曜日なんかはまだ少々余裕がありますので是非ともいらしてください。

 

股旅。

 

DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 高崎哲平