不思議な力

「iPhone で音楽かけてよ!直ぐになんて曲か当てるから!」

これが最近の息子のマイブーム。
まぁつまりイントロクイズなわけだが、その正解率が凄まじく高くて、ちょっと引いているくらいなのだ。

ドレミファドン的に言えば、“ウルトライントロ”で、ときには“超ウルトライントロ” のタイミングでドーン!する。

もちろん、息子が知っている曲でやるのだが、スリップノットの正解率はほぼ100%。
曲名が出てこなくても「あのアルバムの何曲目!」と答える。

聴いたことのない曲でも、ボーカルの声でバンド名を当てる。
ときには、ギターの音、リズムの展開、アンサンブルで正解を導くから驚きだ。

今朝も、先日無料配信されたアンダーワールドの曲を流していたら「あ、アンダーワールドだ!」と言い出した。
ケミカル・ブラザーズとの違いもちゃんと認識してて、ダフト・パンクとの違いもわかっている。

息子の脳内で何がどうなってこうなっているのか、サッパリわからない。

で、多分ほとんど役に立つ機会がないかも知れない能力だが、これはれっきとした超納涼力に違いないと私は確信している。
(洋楽の曲名を覚えているのは英語に役立つかも)

前にも書いたが、こういう能力こそが、その人間のコクになると私は信じている。

熱い展開

先日、お客さんから開店17周年記念にと「MILES DAVIS & THE MODERN JAZZ GIANTS(PRESTIGE 3)」のレコードを戴きました。
ありがとうございます!

それにつけても最高じゃないですか!
ゲストたちのメンツも眩暈がするぐらい凄まじい。
(Percy Heath  Kenny Clarke  Horace Silver  Thelonious Monk  Sonny Rollins Milt Jackson という豪華さ)
早速、聴きましょう!

ささっとターンテーブルに乗せ、プレイボタンをポチッとなと押すも、聞こえて来たのはゲーム音楽みたいなチャカチャカ音。

ぬ?
壊れたかな?

とターンテーブルを調べるも異常なし。

じゃ、回転数間違えたかな?

と33回転、45回転でピッチも速くしたり遅くしたりしても変わらず。

ここで、私は気がついたのでした。
ジャケットの片隅に「16RPM」を表記されていることを。

それはつまり、33回転でも45回転でもなく、1分間に16回転で設定して聴いてくれよセニョールってことなのでした。

恥ずかしながら私。
16回転のレコードなどというものが存在することさえ知りませんでした。(お客さんも知らなかったようで、二人で天を仰ぎました。笑)
調べてみると、PRESTIGEが1957年に僅か6枚だけ発売したもの(作られた枚数も少ないらしい。つまり超レア))で、片面だけで再生時間が40分くらい収録出来たので、お店のBGMやパーティなどで重宝されたようです。

しかも、このアルバム。
内容もかなり素晴らしいらしく、両面続けて80分聴いても全く飽きが来ないらしい。

ぬ〜キキタイ!
聴きたい!

けども、私の所有するプレイヤーでは聴けないのよね。
悲しいけどこれ現実なのよね。

で、またまたさらに調べてみたら、どうやら16回転対応のプレイヤーもあるみたいなんで、ちょっと探してみようと思います。
このアルバムを聴くことが出来るようになる、その日まではフレームインして店内に飾っておきましょうかね。
何しろ、ジャケットも良いですからね。
うむうむ、ドラマティックじゃないですか。
こういうワクワク最高です。

それがいつかアジやコクになる

うちの息子は、やたらとゴジラに詳しい。
全長や全高、彩色や造形の作品別の違いなどを事細かく教えてくれる。

正直、白眼を剥きそうになることもしばしばなのだが、息子には

「そういう全然学校の勉強に役立たない、先生や大人たちも褒めてくれないようなことに夢中になるのは大事だ。
そういう一見無駄なような知識が、案外大人になったときに、アカやコクとなってイイ味のある人間にしてくれたりするんだよ。
だから、誰かにウンザリされることがあっても、その興味と “好き” って気持ちを止めちゃダメだぜ」

と伝えている。
白眼を剥きながら。

何を綺麗ごとを!
と賢いアナタは笑うかもだが、これって案外意外と多分もしかしたら真理なんじゃない?どう?
と思うのだ。

私も “機動戦士ガンダム” (1st と the origin 限定)
の話を始めたら止まらなくなる。
ときには話している相手が白眼を通り越して気絶しているときもあるかも知れない。
だけども楽しい。
とにかく楽しい。
好きなものの話をするのはたまらなく面白いのだ。

息子には、こういう物事をどんどん増やしていって欲しい。
私も、これからもう一つくらいは増やしたいなと思っている。
それを妻ちゃんと共有出来たらモアベター。

あ、アニメの『Sonny Boy』まだ全12話中、9話までしか観てないけど最高だね。

まだまだ自分作りの真っ最中です。

そんな一日の始まり

自分が十代の頃から、ずっと好きなものって何だっけ?

そんなどうでも良いことを、ほてほて散歩しながら考えてみた。
歩いているときは、ぼんやり考えているように見せかけて、実は案外頭はシャープ。
考えごとをするのには打ってつけなのだ。

まず、ピーンと来たのは帽子。
思い返せば、十代の頃からずっとかぶっている。
好きになったきっかけは覚えていない。
ハットもキャップもタムも、全部好き。
帽子はいくつ持っていても良いと思ってはいるが、ちゃんと歯止めはつけているつもりだ。

それとパーカー。
グレーでプルオーバーで厚手のものが好き。
フードをかぶることは、まずないのだが、このフードがアクセントになっている感じがたまらない。
ベストを着て、フードを出して、それで首回りが程良く窮屈になって、ちょっと暖かいのが好き。
で、ヘッドフォンを装着したら完璧。

それと音楽。
どんな場所でどんな手段で聴くのも好きだが、レコードは格別。
脳内での響き渡り方が違うからだ。
同じ音楽なのに、レコードで聴くとまるで違って聞こえる。
それが何でなのかは、わからない。
いや、わかってはいる。
けど、説明が出来ない。
で、別に説明出来なくてもかまわないと思っている。

それから納豆とたまご。
このどちらかが絡んでいる料理はもれなく好きだと思う。

おっとそれから本も好き。
と言うか、字を読むのが好き。
とりあえず、字が書いてあったら読む。

自転車とか、クルマ、バイク、プラモデルなんかも大好きだけど、十代の頃からずっとずっと好きだったか……と考えると胸を張って言えそうにないなと諦めることにした。

映画も好きだけど、語れるほどではないかな……

と、ここまで考えたら家に着いた。
そんな一日の始まりなのである。

だんだんわかる

『ODDTAXI』というアニメ作品にどっぷりハマったのを切っ掛けに、最近やけにアマゾンプライムを利用して色々映画を物色しているのです。

もっぱら観るのは邦画。
放っておいたら、もしかしたら一生素通りしてしまうかも知れないような位置付けにある作品を、いつ観る?今でしょ!ってな謎のテンションで挑んでいます。

で、これが想像を遥かに超えて面白く感じるものばかり。
そういう映画を観ようとせず、もちろん原作も読んでないし、その作者さえ知らない自分の軽薄短小さを恥じたのでした。

やはり面白くて売れて話題になったから映像化されるわけで、でも「そういうのってさ、ミーハー?中身ない?そんな感じなんじゃない?」と小馬鹿にして、近づこうとしなかった己の軽佻浮薄さもハドゥカシィ。

オレってなんでこうなんだろ⁉︎バカ!

なんて頭を抱えたフリをしているだけで、実際は「このままでイイじゃんイイじゃん!」と開き直っております。
もう、言い訳出来る年齢じゃありませんからね。
でもですね。
物凄い方向転換は出来ないし、やらないし、したくないけども、絶妙な角度での軌道修正は、さりげなくして行こうと思います。

相変わらず、好奇心と食欲だけは旺盛なようだ。
「五十代って面白い!」
ってテレビで誰かが言ってたので、その言葉を信じようと思います。

以下は某詩人さんの圧倒的パクりですが、いつかこんな仕事が出来る人間になれるよう日々精進しましょうかね。

『明るく静かに澄んで懐しい仕事、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている仕事、夢のように美しいが現実のように確かな仕事、私はこんな仕事に憧れているのです』