BLUE GIANT

映画『BLUE GIANT』を観てきました。

何十回と読んだ原作漫画。
何十回読んでも、死ぬんじゃないか?ってくらい毎度泣かされる大好きな漫画です。

それがアニメ化されるっつーんだから、こんなワクワクすることもありませんよ。

アニメ化や実写化されて、原作が台無しにされることも多々あります。
でも、なんだかその心配はなかったんですよね。
なんでそう思えたのかはわからないんですが。

で、この映画。
期待以上のものでした。
そりゃ、細かいことを挙げたらキリが無いんですけども、そんなことを軽く吹き飛ばす制作者たちの情熱を感じました。
この原作への愛だけではなく、音楽への深い愛も感じたのです。

そんなわけで、物語冒頭からずっと僕の目頭は熱くなりっぱなしでした。
大好きな漫画の大好きな登場人物たちが動き喋り楽器を演奏する。
なかなかこんな最高なこともないと思うのです。

僕はこの奇跡のようなトリオの中で、格別ドラマーの玉田への思い入れがありまして。
ずぶのど素人だった玉田が成長して行く過程に胸がドキドキしまくってしまうのは何故だろう何故かしら。
何か自分と重ね合わさるところがあったんですかね。
全然天才でもなんでもないところが。
そんな凡人が二人の天才に引っ張られて、違う世界を見ることができるようになるっつーところが、僕の胸を熱くさせまくったのです。

ドラムを習っている息子にも観てもらいたいなと思いました。
どうにか上映期間中に、もう一度どこか爆音で上映する映画館で観たいと思っているのです。
家族で観られたら、これまた最高ですな。

さてと、もう一度原作を読み直すとしますかね。

股旅。

屈折の果て

雑誌「BRUTUS」のJAZZ特集。

この雑誌の本特集とか音楽特集をせっせと読んでいるのだが、紹介されている作品のほとんどがまだ読んだことも聴いたこともない、これからも手に取る予感がしないものばかりで、その度に自分の軽薄短小 & 軽佻浮薄さ加減にガックシトホホ状態に突入させられていたのだが、今回は超意外なことに、誌上で紹介されている作品たちを結構な確率で知っているし聴いたことあるアルバムが多かったから不思議だ。
でも、嬉しい。

とは言っても、表紙に「JAZZ IS POP!」とあるわけで、それはつまり聴きやすいポップなアルバムを紹介してるのだから、私の軽佻浮薄ぶりが軽減されたわけではないのは百も承知である。
でも、嬉しい。

GEZAN with Million Wish Collective の『あのち』はここ最近一番聴いているアルバムかも。

和嶋慎治さんの『屈折くん』は最近の愛読書。
猛烈に面白い『罪の轍』(奥田英朗著)を読んでいる合間に強烈に面白く読んでいる。

屈折で思い出した。
最近なんだか、ヘビーでゴリゴリな音楽が人生讃歌に聴こえて、元気&勇気を分けていただいているような気がする。

ノーフューチャー!
とシャウトするパンクロックに未来を感じ、
シニタイヤツハシネと歌われると、それはむしろ「生きろ!」ってメッセージなのではと受け止める。

随分前から、そんな人間だった気もするが、なんだか新鮮な感じなので、多分僕の中で何らかの変化があったような気がしないでもない。

ようは受け止め方次第なわけだが、こんな床屋のオッサンともなると、自分の言動がどう受け止められるのかもちゃんと想像しなくちゃダメだよな〜とも思っている。

股旅。

バカみたいだけれども

左が昨年の六月くらい、40数年ぶりにプラモ熱が再燃し始めた頃に作ったもの(MG 1/100 陸戦型ジム)

右が今さっき完成した全く同じキット。

たかだか八ヶ月だが、ちょっとはまぁ上達したんじゃないか?オレちゃんよ。

この年齢になって、仕事以外で上手になりたいものがあるっつーのは一つの幸福の形だと思うのだ。

もっともっと上手くなりたいな。
そのために必要なのは我慢する心。
待つ心。
その先にあるのが“丁寧”。

それはつまり、仕事にもつながって来るのよね。
そしてさらに生活にもね。

プラモデル?笑

だなんて思われるだろうけども、そこに“生きる真髄”があるような気がするのよ。
バカみたいだけどもさ。

雑記

ものすごく今更なのだが 最近 “ゆらゆら帝国” に痺れまくっている。
どのアルバムも良いのだけれども、とりわけ “ゆらゆら帝国III” がたまらない。

いくらでもハマるタイミングはあったはずなのに何故今いきなり来る?
解散して十三年も経つのに。
かつてライブも観たことあって、何枚かのアルバムも持っているし、解散後の坂本慎太郎さんのソロもちゃんと聴いてきた。
基本、とても “好きなバンド” なのだが、ハマってはいなかったのよね。
何故今なんだ?

でも日々生きて暮らしている中での、こういう“個人的ハプニング的流れ”との遭遇って、最高に気持ちいいのよね。
五十路にもなったのに、コントロール出来てない自我があることがさ。
店のBGMとしても到底流しにくい感じもまた良い。
そういう物事を、これから大事にしていきたいと思っている。

ほてほてと

相変わらず暇を見つけては ほてほてと散歩をしている。

ぼんやり草花や飛ぶ鳥を眺めながら歩いているのだが、自分でも驚くくらい、その草花や鳥の名前を知らないことに気づいて愕然としている。

あの鳥はね……
この花はね……

なんて話せたら、どんなにステキじゃないかと思う。
でもまだ、そうなるために何もしていない。

うむ、これは“学び”のチャンスだな。
自発的に “学ぶ” ってのは素晴らしいことだ。
人生において、その “自発的な学び” がどれだけ行われたかっつーのは、一つの人生の
豊かさを現す指標になるのかもしんまいな……

こんなことをぼんやり考えながら歩くのが好きだ。

此間。
カーラジオをぼんやり聴いてたら

「知ってるかい?笑顔を作るために必要な筋肉は17、しかめっ面には44個もいるんだぜ、ヤーマン!」

なんてことを言っていた。
ナビゲーターの人は、それをさも「意外!」って感じで言ってたが、床屋のナイスミドルは「そりゃまぁそうだよな!」としみじみ納得したんだった。

まぁ、それだけ “しかめっ面” ってのは疲れるってことなのよ。
笑顔の二倍以上消耗するってことなのだ。
どうりでグッタリするわけだ。

だから、笑ってた方が良いよね。
だから、笑わしてくれる人、面白い人ってのは尊いよね。

なんてなことを考えながら歩くのも好きだ。

今、店ではスライ&ザ・ファミリー・ストーン
『STAND! 』が静かに流れている。
うむ、いい感じだ。
こんな時間が私は好きだ。

股旅。