ほてほてと

相変わらず暇を見つけては ほてほてと散歩をしている。

ぼんやり草花や飛ぶ鳥を眺めながら歩いているのだが、自分でも驚くくらい、その草花や鳥の名前を知らないことに気づいて愕然としている。

あの鳥はね……
この花はね……

なんて話せたら、どんなにステキじゃないかと思う。
でもまだ、そうなるために何もしていない。

うむ、これは“学び”のチャンスだな。
自発的に “学ぶ” ってのは素晴らしいことだ。
人生において、その “自発的な学び” がどれだけ行われたかっつーのは、一つの人生の
豊かさを現す指標になるのかもしんまいな……

こんなことをぼんやり考えながら歩くのが好きだ。

此間。
カーラジオをぼんやり聴いてたら

「知ってるかい?笑顔を作るために必要な筋肉は17、しかめっ面には44個もいるんだぜ、ヤーマン!」

なんてことを言っていた。
ナビゲーターの人は、それをさも「意外!」って感じで言ってたが、床屋のナイスミドルは「そりゃまぁそうだよな!」としみじみ納得したんだった。

まぁ、それだけ “しかめっ面” ってのは疲れるってことなのよ。
笑顔の二倍以上消耗するってことなのだ。
どうりでグッタリするわけだ。

だから、笑ってた方が良いよね。
だから、笑わしてくれる人、面白い人ってのは尊いよね。

なんてなことを考えながら歩くのも好きだ。

今、店ではスライ&ザ・ファミリー・ストーン
『STAND! 』が静かに流れている。
うむ、いい感じだ。
こんな時間が私は好きだ。

股旅。

今、聴くべき音

つい先日リリースされた坂本龍一さんのニューアルバム。

アナログのUS盤が四月末日に発売するらしく、それが五月二日から四日の間に届くとあったので、迷わず予約しました。

このまま調子良ければ、五月四日に五十二歳になりそうな勢いなので、誕生日にこういう作品が届くっつーのも粋じゃない?
と思ったのでオーダーしたのです。

今、さらりと試聴しているのですが、その半端なく美しい旋律に魂が震え始めてます。。
坂本龍一さんが政治的発言をするところとか、僕的にはあまり歓迎してなくて、出来たら「音」で伝えてほしいな〜だなんて生意気なこと思っている青二才な床屋。
それが僕です。

で、この「音」。
ちゃんと聴かなきゃなと背筋を伸ばしてます。
今、流れるべき音、聴くべき音だと思うので。

タイトルなし

『細かいことを考えて悩むことがいかに無意味かっていうことは、多くの音楽が表現してるよ……』

って誰かが言ってたけども、ドライブしながら “Theピーズ” なんかを聴いているとホントその通りだよな〜としみじみが止まらなくなるのです。

私はちょいとネガティブな事象が身辺で起こったときに、パンクロックを爆音で聴きたくなるんだけども、これは「ザケンナヨ!」って怒りや不満を増幅させるためではなくて、「全然大したことねーし!」って心地良くない感情を解放するためなんですよね。

The ピーズ を聴いていると、思わず笑っちゃって「しょうもな!」って脳ミソがファファ〜ンって楽になって力が抜けるの。
それが、たまらなく気持ち良くてですね。
こういう音楽の聴き方、使い方があってのもいいんだよな〜って思えたんです。
そこには感謝の気持ちしかありませんよ。

The ピーズ を初めて聴いてから 30年くらいは経っていると思うんですけども、聴いている気持ちにあまり変化がないんですよね。
ってことは、これから30年経ってもあまり変わってないかも知れないじゃないですか。

そのとき、運が良ければ私も魅惑の80代に突入しているわけで、そのときも Theピーズ を聴いて「しょうもな!」ってゲラゲラ笑えたら、もうそれで勝ちな気がするんです。
何に勝ったか知らんですけども。

別にこういうのは、どんな音楽じゃなくてもいいんです。
敬愛する高田純次先輩が

オレが好きな言葉は『木も見ず、森も見ず』だよ

って言ってて、そのくだらなさに物凄く勇気と元気をいただきましたもの。

なんか、そういうものを探すってのがね。
人生の目標でも良いんじゃないかと。
そんな適当なことをぼんやり考えている月曜の昼間なのです。

股旅。

乗りかかった船

予約していたザ・クロマニヨンズの新譜『マウンテン バナナ』のLPレコードが届きました。

正直、ザ・ブルーハーツやTHE HIGH-LOWSのような熱情を持って聴くことは出来なくなってしまいましたが、ここまで来たら生涯お付き合いしたいと思いまして。

だって、14年前に忌野清志郎先輩が亡くなったときに、僕はもうあまり清志郎の曲を聴いてなくて、こんな自分がファン面して悲しむ資格なんてないんだと感じてしまいましてね。

何十年も前からずっとずっと好きで、一緒に歳を重ねて来て、そしてまだ現役で音楽を続けているアーティストなんてヒロトとマーシーしかいないんだもの。
胸を張ってファンだって言いたいじゃないですか。
だから、聴くんです。

で、やっぱり良いんだよね。
曲も音も声もメッセージもジャケットも全部良い。
しかも、聴いてると元気が出る。
勇気が湧く。
優しい気持ちにもなる。
そのしょうもなさ、くだらなさが笑える。
思春期の頃から、ずっと自分にそんな影響を与えてくれる人(ミュージシャン)がいるって幸福なことだなぁと。

ありがとうございます♪

この流れを待っていた

しばらくぶりに読書モードに切り替わりそうなムードがプンプンしてきた。

とりわけ昭和四十年代以前を舞台にしたザラっとした手触でツンと鼻をかすめる臭いが漂うような人間ドラマが好みのようで、あまりの面白さに悲惨な情景が描かれているにも関わらず半笑いしている自分がいることに我ながら驚くのである。

一体何にそんなに自分が惹きつけられているのか……

わかるような、全くわからないような、こそばゆい気分だ。

現代社会では、蓋をされ隠されてしまった世界がそこにある。

のだが、ふと気がつくと、目を凝らしてよく見てみると、そこら辺にまだまだあるのを感じる心と肌をザワつかせる何か……そんなのが書かれている物語が好きだ。

ってココまで書いて、自分の言っていることの解りにくさに苦笑いせざるを得なくて、それもまたいとをかしなのである。

何にせよ、私にとって本が読めてるってのは良いことなのだ。
忘れ物を学校に取りに帰るような、そんな気持ちで読んでいる。

なんのこっちゃ。